こしへ》の實よ 一六―一八
我を汝に遭はしめしは抑※[#二の字点、1−2−22]何の功徳何の恩惠《めぐみ》ぞや我若し汝の言《ことば》を聞くの幸《さいはひ》をえば請ふ告げよ汝地獄より來れるかそは何の圍《かこひ》の内よりか。 一九―二一
彼これに答ふらく。我は悲しみの王土の中《うち》なる諸※[#二の字点、1−2−22]の獄《ひとや》をへてこゝに來れり、天の威力《ちから》我を動かしぬ、しかしてわれこれとともに行く 二二―二四
爲すによるにあらず爲さざるによりて我は汝の待望み我の後れて知るにいたれる高き日を見るをえざるなり 二五―二七
下に一の處あり、苛責のために憂きにあらねどたゞ暗く、そこにきこゆる悲しみの聲は歎息《ためいき》にして叫喚《さけび》にあらず 二八―三〇
かしこに我は、人の罪より釋《と》かれざりしさきに死の齒に噛まれし稚兒《をさなご》とともにあり 三一―三三
かしこに我は、三の聖なる徳を着ざれど惡を離れ他《ほか》の諸※[#二の字点、1−2−22]の徳を知りてすべてこれを行へる者とともにあり 三四―三六
されど汝路をしりかつ我等に示すをうべくば、請ふ我等をして淨火のまことの入口にと
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