ゞちに――その早きこと一の歎息《ためいき》の口を開く間にまされり――これにおほはる 一三九―一四一
さてかく變りて後この聖なる建物《たてもの》その處々《ところ/″\》より頭を出せり、即ち轅よりは三、稜《かど》よりはみな一を出せり 一四二―一四四
前の三には牡牛のごとき角あれども後の四には額に一の角あるのみ、げにかく寄《くす》しき物かつてあらはれし例《ためし》なし 一四五―一四七
その上には高山《たかやま》の上の城のごとく安らかに坐し、しきりにあたりをみまはしゐたるひとりのしまりなき遊女《あそびめ》ありき 一四八―一五〇
我また見しにあたかもかの女の奪ひ去らるゝを防ぐがごとく、ひとりの巨人その傍に立ちてしば/\これと接吻《くちづけ》したり 一五一―一五三
されど女がその定まらずみだりなる目を我にむくるや、かの心猛き馴染《なじみ》頭より足にいたるまでこれを策《むちう》ち 一五四―一五六
かくて嫉みと怒りにたへかね、異形《いぎやう》の物を釋き放ちて林の奧に曳入るれば、たゞこの林|盾《たて》となりて 一五七―一五九
遊女《あそびめ》も奇《くす》しき獸も見えざりき 一六〇―一六二
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