ながら嵐の中なる船の、浪にゆすられ、忽ち右舷忽ち左舷に傾くに似たりき 一一五―一一七
我また見しにすべての良き食物《くひもの》に饑うとみゆる一匹の牝狐かの凱旋車の車内にかけいりぬ 一一八―一二〇
されどわが淑女はその穢《けがら》はしき罪を責めてこれを逐ひ、肉なき骨のこれに許すかぎりわしらしむ 一二一―一二三
我また見しにかの鷲はじめのごとく舞下りて車の匣《はこ》の内に入り己が羽をかしこに散《ちら》して飛去りぬ 一二四―一二六
この時なやめる心よりいづるごとき聲天よりいでていひけるは。ああわが小舟《をぶね》よ、汝の積める荷はいかにあしきかな。 一二七―一二九
次にはわれ輪と輪の間の地ひらくがごときをおぼえ、またその中より一の龍のいで來るをみたり、この者尾をあげて輦《くるま》を刺し 一三〇―一三二
やがて螫《はり》を收むる蜂のごとくその魔性の尾を引縮め車底の一部を引出《ひきいだ》して紆曲《うね》りつつ去りゆけり 一三三―一三五
殘れる物は肥えたる土の草におけるがごとく羽(おそらくは健全《すこやか》にして厚き志よりさゝげられたる)に 一三六―一三八
おほはれ、左右の輪及び轅《ながえ》もまたた
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