へる聲ありき、是に於てか我は恰もおぢおそるゝ獸の如く顫《ふる》ひ 一三三―一三五
その誰なるやを見んとて首《かうべ》を擧ぐればひとりの者みゆ、爐の中なる玻璃または金屬《かね》といふとも斯く光り 一三六―
かく赤くみゆるはあらじ、彼曰ふ。汝等登らんことをねがはばこゝより折れよ、往いて平和をえんとする者みなこなたにむかふ。 ―一四一
彼の姿わが目の力を奪へるため、我は身をめぐらして、あたかも耳に導かるゝ人の如く、わがふたりの師の後《うしろ》にいたれり 一四二―一四四
曉告ぐる五月の輕風《そよかぜ》ゆたかに草と花とを含み、動きて佳《よ》き香《か》を放つごとくに 一四五―一四七
うるはしき風わが額の正中《たゞなか》にあたれり、我は神饌《アムプロージャ》の匂《にほ》ひを我に知らしめし羽の動くをさだかにしれり 一四八―一五〇
また聲ありていふ。大いなる恩惠《めぐみ》に照され、味《あぢはひ》の愛飽くなき慾を胸に燃やさず常に宜《よろ》しきに從ひて饑うる者は福《さいはひ》なり。 一五一―一五三
[#改ページ]

   第二十五曲

時は昇《のぼり》の遲きを許さず、そは子午線を日は金牛に夜は天蠍にはや付《
前へ 次へ
全396ページ中150ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
ダンテ アリギエリ の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング