が》されて我等の登る山にむかへるも 一―三
我は身をわがたのもしき伴侶《とも》によせたり、我またいかで彼を觸れて走《わし》るをえんや、誰か我を導いて山に登るをえしめんや 四―六
彼はみづから悔ゆるに似たりき、あゝ尊き清き良心よ、たゞさゝやかなる咎もなほ汝を刺すこといかにはげしき 七―九
彼の足すべての動作《ふるまひ》の美をこぼつ急《いそぎ》を棄つれば、さきに狹《せば》まれるわが心 一〇―一二
さながら求むるものある如く思ひを廣くし、我はかの水の上より天にむかひていと高く聳ゆる山にわが目をそゝぎぬ 一三―一五
後方《うしろ》に赤く燃ゆる日は、わがためにその光を支《さ》へられて碎け、前方《まへ》にわが象《かたち》を殘せり 一六―一八
我わが前方《まへ》にのみ黒き地あるをみしとき、おのが棄てられしことを恐れてわが傍《かたへ》にむかへるに 一九―二一
我を慰むるもの全く我に對《むか》ひていふ。何ぞなほ疑ふや、汝はわが汝と共にありて汝を導くを信ぜざるか 二二―二四
わがやどりて影を映《うつ》せる身の埋《うづ》もるゝ處にてははや夕《ゆふ》なり、この身ナポリにあり、ブランディツィオより移されき 二五
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