》みをもてウェルギリウスをよろこび迎ふるを見、己が郷國を思ふの念に堪へず、悲歌慷慨す
一―三
【ヅァーラ】zara 中古、最も流行せる遊戲の一。三個の骰子《さい》を用ゐて勝敗を決す
【くりかへし】悲しみつゝも屡※[#二の字点、1−2−22]骰子を投げて練習を積み次の勝負に勝たんとするなり
四―六
懷ゆたかなる勝者に從ひ行きて各※[#二の字点、1−2−22]多少の恩澤にあづからんとす
一〇―一二
【約束】彼等のために善人の祈りを請ふの約束
一三―一五
【死せるもの】ベニンカーサ・ダ・ラテリーナ。アレッツオの法官にて、十三世紀の人なり、シエーナの貴族ギーノ(ギーン)・ディ・タッコの近親(ギーノと同じく奪掠を事とせるもの)に死刑を宣せしことありしかばギーノこれを含みベニンカーサがローマの法官となりてかの地に赴ける後己もまたローマにいたり法廷に於てこれを殺しその首級を提げて去れり
【追ひて】或ひは、追はれて(敵に)
【溺れし者】名をグッチョといひ、アレッツオなるギベルリニ黨の首領なりしタルラーティ家の者なり、嘗てグエルフイ黨と戰ひてこれを追へるときその馬アルノの川に入れりといふ
一六―一八
【フェデリーゴ・ノヴェルロ】カセンティーノの伯爵グイード・ノヴェルロの子。一二八九年(或曰九一年)ビビエーナの附近にてアレッツオなるボストリ家の者に殺さる。
【ピサの者】古註に曰。こはファリナータとてピサなるスコルニジアーニ家のマ―ルヅッコの子なり、彼ピサの市民に殺されしとき、その頃故ありてフランチェスコ派の僧となりゐたりし父マールヅッコ、他の僧侶と共にいでてその葬儀を營みかつ神の旨に從はんため殺害者の罪を容せりと
【強きを】わが子を殺せる者を赦せるをいふ
一説に曰。ファリナータはウゴリーノ伯爵がピサを治めし頃罪を得て斬首せられし者なり、その遺骸久しく市に放棄せられしかばマールヅッコ姿を變へて伯爵の許にゆき埋葬の事を乞ふ、ウゴリーノその何人なるやを知り、汝の堅忍よくわが固陋と拗執に勝てり行きて汝の欲するところを爲せといひ、その請ひを容れたるなりと
一九―二一
【オルソ】オルソ・デーリ・アルベルティ。ナポレオネ伯(地、三二・五五―七註參照)の子なり、一二八六年その從弟即ちアレッサンドロの子アルベルトの殺すところとなる、アルベルトはこれによりてその父の怨みを報いしなり
二二―二四
【ピエール・ダ・ラ・ブロッチア】もと下賤の生れなりしがフランス王フィリップ三世の信任を得て高官に陞る、のち君寵次第に衰へ遂に反逆の罪をうけて絞罪に處せらる
【ブラバンテの淑女】ブラバンテの公爵エンリコ六世の女にしてマリーといひ、フィリップ三世の後妻なりし者。當時の人ピエールの死をもて王妃の怨みにもとづくと信ぜしなり
一説に曰。一二七六年フィリップの長子ルイ死せる時、ピエールその死因をマリーの毒殺(即ち己の子を位に即かしめんための)に歸し、かくして王妃の怨みを買ひ從つてフィリップの信任を失ふにいたれり、フィリップ、カスティリア王アルフォンソ十世と戰ひを開くに及び、ピエールを嫉む者彼が敵と内通して機密をこれに漏せりとの事を王に具申し王妃一味の者と力を合せ、遂に彼を陷れきと
【これより惡しき群】地獄に罰せらるゝ者。人を讒せる罪によりて死後地獄(第八獄第十嚢)の刑罰をうくるなからんため未だ世にある間にその罪を悔ゆべし
マリーは一三二一年に死せり
二八―三〇
【詩の中にて】『アエネイス』の中にて(四〇―四二行註參照)
三四―三六
【わが筆】わがしるせるところと彼等の求むるところと矛盾せず
三七―三九
神たとひ世人の祈りを聽きたまふとも神の正義は依然として變ることなし
【愛の火】たとひ世にある人あたゝかき愛の心より淨火門外の魂のために祈りこの祈りによりてはやく天意を滿たし(若しこの祈りなくばかの魂等天の定むる時至るに及びてはじめて神慮を和ぐべきに)彼等をはやく門内に入らしむるとも
【審判の頂】神の審判のきびしくおごそかなるはかはらじ
四〇―四二
【陳べし處】アエネアス冥府に入りてスティージェの川に近づけるときパリヌルスの魂、これに己をも倶に渡らしめむことを乞ふ、アエネアスの導者シビルラこれを許さず、且つ曰く
神々の定めたまふこと、祈りのために變りうべしと思ふなかれ
と(『アエネイス』六・三三七以下)
【神よリ】パリヌルスの如きは神の恩寵をうくる者にあらざるがゆゑにその咎赦されずその願ひ聽かれざれしなり(淨、四・一三三―五參照)
四三―四五
【眞と智】靈界の奧義は人智のみを以て覺り難し、大智と雖もなほ天啓の光によりてはじめて眞を見るをうるなり
四九―五一
【主よ】異本、善き導者よ
五二―五四
【違ふ】登るべき路は汝の思ふよりも遠く且つ難し
五五―五七
汝未だ山の巓に達せざるうち、日は入り日
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