アーゴの附近に達するに及びアッツオの命を受けし者の要撃するところとなりて死す
【助け】原文、恩惠。ダンテが彼等の親戚知己に乞ひて彼等のために祈らしむること
【もし力】若し已むを得ざる理由ありて汝の好意も果す能はざるにいたらずば
六七―六九
【間の國】マルカ・ダンコナ。ローマニアとナポリ王國の間にあり、後者は當時シヤルル・ダンジュー二世の治めしところ
七〇―七二
【ファーノ】マルカ・ダンコナにある町
【淨むる】はやく淨火の門内に入りて
七三―七五
【我の宿れる血】我ヤーコポの魂のやどれる血、わが肉體を生かしめし血
レビ記一七・一一に曰。肉の生命は血にあり
【アンテノリ】パードヴァ人。トロイア人アンテノールの子孫なりとの傳説あるによれり、アンテノリの懷といふはバードヴァ人の領地内といふに同じ
七六―七八
【安全】敵地を距たること遠ければ(六四―六行註參照)
【エスティの者】エスティ家のアッツオ八世
七九―八一
【オリアーコ】(オリアーゴ)パードヴァとヴェネツイアの間にある村
【ラ・ミーラ】オリアーコの附近にてブレンタ川に通ずる運河の一の岸にある村
【我は】我は今も世に生きながらふることをえたりしなるべし
八五―八七
【汝の願ひ】平安を得るの望み(六一―三行參照)
【わが願ひ】門内にて罪を淨むるの願ひ
八八―九〇
【ボンコンテ】ブオンコンテ、地、二七に見えしグイード・ダ・モンテフェルトロの子。アレッツオのギベルリニ黨の爲に屡※[#二の字点、1−2−22]戰場に臨み一二八九年六月カムパルディーノの戰ひに死す
【モンテフェルトロ】地、二七・二八―三〇並びに註參照
【ジヨヴァンナ】ブオンコンテの妻。世に殘れるわが妻もその他の親戚も一人としてわが事を思ふものなし
九一―九三
【カムパルディーノ】カセンティーノ(地、三〇・六四―六註參照)なるアルノの溪の一部ビビエーナ附近の平原。一二八九年六月アレッツオのギベルリニ黨フィレンツェのグエルフィ黨とこゝに戰ひて敗る
ダンテは當時フィレンツェ騎兵の中にありてこの戰ひに與かれりとの説あり(地、二二・四―九註參照)、若しこの説にして信ずべくんば彼はブオンコンテの討死せしこと及びその遺骸の戰場に見出されざりしこと等をその頃委しく知りえたるなるべし
九四―九六
【隱家】カマルドリの僧院をいふ、こは十一世紀の初めの頃聖ロムアルド(一〇二七死)の開基にかゝる
【アルキアーノ】僧院の上なる二水相合して下りビビエーナの北なる丘の麓にいたりてアルノに注ぐ、これをアルキアーノといふ、溪を横ぎりてアルノに入るが故によこさまにといへるなり
九七―九九
【名消ゆる處】アルキアーノとアルノの落合。アルキアーノこゝにいたりてその名を失ふ、こゝより海に赴くまでたゞアルノと稱へらるればなり
カムパルディーノよりこの落合まで約二哩半ありといふ
一〇〇―一〇二
【マリア】臨終に聖母の名を呼べるなり
一〇三―一〇八
【地獄の使者】鬼。地、二七・一一二以下にボンコンテの父につきて聖フランチェスコと鬼と爭へることいづ、すべてこの種類の物語中古の傳説に多かりきといふ、ミカエル(ミケーレ)と鬼とモーゼの屍を爭へりとの記事すでに聖書の中(ユダ、九)にあるをおもへ
【天に屬する】異本。天より來れる
【不朽の物】魂
一一二―一一四
以下鬼がブオンコンテの遺骸を虐待せるさまを敍す、但しこの一聯、文の組立につきて異説多し
【性より】靈體として風雲を左右するの力を有す
一一五―一一九
【プラートマーニオ】カセンティーノの西の境にある高山
【連山】アペンニノ山脈。プラートマーニヨと相對して東にあり
一二一―一二三
【流れ】カセンティーノの諸川。アルキアーノも其一なり
【たふとき川】fiume real 直接に海に注ぐ川にてこゝにてはアルノを指す
一二四―一二九
【苦しみに】悔恨の
【身をもて造れる】腕を胸の上に組みて十字架の形をつくれるなり
【獲物】大水に押流さるゝ草木砂泥の類
一三三―一三六
【ピーア】シエーナなるトロメエイ家の者にてマレムマなるピエートラの城主ネルロ・デ・パンノッキエスキに嫁せしが後これに殺されたりといふ、殺害の原因、年月及び其他の事につきては諸説ありて定かなること知り難し
【シエーナ我を造り】我はシエーナに生れてマレムマ(地、一三・七―九註參照)に死せり
【縁の】指輪を與へて後、妻に迎ふること正しき結婚の慣例なればピーアはその私《ひそか》にネルロに嫁せるにあらざるを示せるなりとの説採るべきに似たり、異本異説倶に多し
【與へしもの】即ち夫ネルロ


    第六曲

横死の際にはじめて悔改めし他の多くの魂を見て後、詩人等神の審判と生者の祈祷についてかたり遂にソルデルロ(ソルデル)のたゞひとり坐してゐたる處にいたる、ダンテは彼が同郷の好《よし
前へ 次へ
全99ページ中58ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
ダンテ アリギエリ の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング