クイロネ】北の風。こゝにては北を指す
六一―六三
【若し】もし太陽雙兒宮にありて
【カストレとポルルーチェ】カストルとポリュデウケース。ゼウスとレダの間の二子。化して宿星(雙兒宮の)となれりといふ
【鏡】太陽。光を南北半球におくる
六四―六六
【舊き道】黄道。太陽もし地球の周圍を囘轉するにあたりて其年毎の軌道を誤ることなくば
【赤き】太陽その中にあるがゆゑに
太陽もし雙兒宮にあらばそのめぐるところは今よりもなほ北にあたる、これ雙兒宮の星は白羊宮(太陽現にこゝにあり)の星よりさらに北にあるによりてなり
六七―七五
【シオン】イエルサレム
イエルサレムと淨火の山とは地球の正反對面にあり、面して前者は夏至線以北に後者は冬至線以南にあるがゆゑに東に向ふ人前者にては日を右に後者にては日を左に見るなり
【天涯を同じうし】淨、二・一―三註參照
【フェートン】フェトンテ。地、一七・一〇六以下並びに註參照
【路】黄道
【此、彼】此は淨火の山、彼は聖都
七九―八一
【さる學術】天文學
【日と冬の間】冬期北半球にては太陽冬至線若しくはその附近にあるが故に赤道は冬の世界と太陽の間にあり、南半球冬期に入れば太陽夏至線若しくはその附近にあるが故に赤道は冬の淨火と太陽の間にあるなり
【中帶】運行する諸天の中の最も高きもの即ち第九天の中帶
八二―八四
淨火の島とその北なる赤道の間の距離は聖都とその南なる赤道の間の距離に等し
【希伯來人《エブレオびと》】古、ヘブライ人がイエルサレムを中心としてパレスチナにのみ居住せる頃をいへるなるべし
八八―九〇
徳の路は入り難しといへども進むに從つて易し
九七―九九
【それよりさき】山の頂即ち疲れを休むるところに達せざるさき
一〇三―一〇五
【群】怠惰のため死に臨むまで悔改めざりし人の魂
一一二―一一四
【目を】不精のため目のみを動かして顏をあげざるなり
【汝は】汝はわがごとく不精の兄弟にあらざれば
一二一―一二六
【ベラックヮ】フィレンツェの樂器製造者、ダンテと相識の間柄なりしこと本文によりて知らる
【憂へず】救ひの道にあれば
【習慣】生前の怠惰なる慣習
一二七―一二九
【神の鳥】淨火の門を守る天使(啓、九・七六以下)
【苛責】門内にてうくる淨めの苛責
一三〇―一三二
【善き歎息】罪を悔ゆる
【天はまづ】淨火の門内に入るの前、我はまづその門外にて我の世に享けし齡と同じ年月を過さざるをえず
一三三―一三五
若し世に住む善人わがために神に祈らばそれよりさきに門内に入りて罪を淨むることをうれども(淨、三・一三六以下參照)
一三六―一三九
【日】時正午なれば太陽中天にあり
【岸邊】ガンジスの(淨、二・四以下參照)
【モロッコ】アフリカの西北端の國。イスパニアのシヴィリアと同じく北半球の西端を指すに用ふ
淨火の正午は聖都の夜半、モロッコの夕にあたる


    第五曲

詩人等なほ少しく登り進みて他の一群の魂にあふ、こは皆横死し、しかして死に臨むまでその罪を悔いざりし者なり、彼等のうちみたりヤーコポ・デル・カッセロ、ブオンコンテ・ダ・モンテフェルトロ及びピーア、ダンテとかたる
四―六
【左】東を背にして登るがゆゑに今は日右にあり(淨、四・五二以下參照)影左に落つ
七―九
【碎けし】影のため(淨、三・八八以下參照)
一〇―一二
【心ひかれ】原文、魂とらはれ。怠惰者の言《ことば》に心ひかるゝなり
一六―一八
思ひ多ければ專なる能はず、ダンテかの魂の言にその心をとむる時は登山の念さまたげられて時空しく過ぐるの恐れあり
二二―二四
【横方より】兩詩人は山を登り魂等はその腰をめぐるがゆゑに
【かはる/″\】a verso a verso 群集二部にわかれてその一部最初の一節をうたひ終れば他の一部第二節をうたひかくして漸次にうたひつぎ歌ひ終るなり
【憐みたまへ】Miserere 詩篇第五一篇をうたへるなり
二五―二七
【あゝ】驚きとあやしみをあらはす
三四―三六
【益を】ダンテ世に歸りて後善人に請ひて彼等のために祈らしむれば
三七―三九
【光】原文、燃ゆる氣體。初更の頃の流星または夏の夕の電光
五二―五四
【横死】戰ひ(ブオンコンテ)、私怨(ヤーコポ)、家庭の悲劇(ピーア)等
【天の光】神恩の光
五五―五七
【赦しつゝ】人を(マタイ、六・一四)
六一―六三
【平和】天堂の幸福
六四―六六
【一者】ヤーコポ・デル・カッセロ。
ファーノ(地、二八・七六―八一註參照)の名族、一二九六年より翌七年までボローニアのポデスタたり此間フェルラーラの侯爵エスティ家のアッツオ八世の怨みを買ふ、一二九八年ミラーノのポデスタとなりエスティ家の領地を過ぐるなからんためまづ海路を取りてヴェネツィアにいたる、しかしてこゝよりパードヴァ人の地を過ぎてその任地に赴かんとしオリ
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