フ歌の解釋いづ、古註にはカセルラこれが譜を作れりといへり
一一八―一二〇
【翁】カトー
一二一―一二三
【穢】scoglio 蛇の皮魚の鱗等のごとく魂をつゝむ罪の汚れ
一二七―一二九
【まさる願ひ】危きを避くるの願ひ食を求むるの願ひに勝ちて


    第三曲

詩人等やがて山の麓にいたれるに岩石高くして登るをえざればかなたより歩み來れる一群の靈を迎へてこれに路を問ひその教へをきく、彼等の一なるマンフレディ己が身の上をダンテにあかし且つ寺院に背きて死せるものの刑罰をうくるさまを述ぶ
一―三
【理性】理性の聲人をはげまして淨めの道に就かしむ
或日。ragion は神の正義なり fruga は懲すなり、神の正義淨火の山に人を懲すをいふと
四―六
【伴侶】ウェルギリウス
七―九
【みづから】船より下れる魂等はカトーの戒めをききて悔い、ウェルギリウスは自ら省みて悔ゆ
一〇―一二
【狹まれる】カセルラの事及びカトーの戒めにのみその思ひの集中せるをいふ
一三―一五
【求むる】こゝにては處のさまを知るを願ふこと
一九―二一
【棄てられし】ウェルギリウスに。ダンテはウェルギリウスの靈にして影なきを思はず、己獨りを殘して去れるにあらずやと疑へるなり
二五―二七
【夕】淨火の午前六時過はイエルサレムの午後六時過にあたる、イタリアは聖都とイスパニアの中央にあればこの時既に夕(午後三時過)なり(淨、一五・一―六註參照)
【ブランディツィオ】ブルンディジウム、ブリンディシ。イタリアの南アドリアティコ海濱の町
紀元前一九年ヴェルギリウス、ブルンディジウムに死す、皇帝オクタウィアヌス・アウグストゥス命を下してその遺骸をナポリに移し厚くこゝにこれを葬る
二八―三〇
【光を堰かざる】諸天は透明なれば一天より出る光他の天のためにせかるゝことなし
三一―三三
【威力】神の
【かゝる】わが體《からだ》の如く影もなき
【されど】神の大能のいかなるさまにはたらくやは人知らず
三四―三六
若し人智をもて神のきはみなきみわざを知り盡しうべしとおもふ者あらば
三七―三九
【事を事として】al quia(〔=che'〕)たゞ事物の事物たるを知りて何故に然るやを究めんとせざるをいふ
【マリアは子を】キリストの出現によりて人はじめて天啓をうくるに及ばざりしなるべし
四〇―四二
リムボにとゞまる聖賢の如く一切を知るの願ひを果すに最も適せる人々すら世にその願ひを成就するにいたらず、今や却つて望みなき願ひのために(地、四・四二)永遠の憂ひをいだく
四三―四五
【アリストーテレ、プラトー】アリストテレス、プラトン。倶にリムボにあり(地、四・一三一―二及び一三四)
【思ひなやみて】ウェルギリウスも彼等と境遇を同じうすればなり(地、四・三七―九參照)
四九―五一
【レリーチェとツルビア】レリーチェはスペチア灣(ゼノーヴァの東南)に臨める古城、ツルビアはフランス領ニースに近き町。この兩地の間はほゞリグーリアの海濱といふに同じく、東西リヴィエーラに分たれ、連山高くゼーノヴァ灣上に突出す
五八―六〇
【一群の魂】悔い改めて世を去れるも寺院と和することをせざりし者
【おそく】救ひに入るのおそきを表示す
六四―六六
【望み】路を聞くをうるの望み
七〇―七二
【岸】山側
【動かず】道行く人、物におそれてその足をとゞむる如く魂等は詩人等が彼等に路を問はんとて左に進みいづるを見、その淨火の通則に反するをあやしみてとゞまれるなり
滅亡《ほろび》の路は常に左にむかひ(地、九・一三〇―三二註參照)救ひの路は常に右にむかふ
七三―七五
【福に終れる】神と和して死せる
【選ばれし】えらばれて救ひの路にある
七六―七八
【知ること】路を知らずして歩めば時を失ふ、しかして人はその智進むに從つていよ/\時の重んずべきを知る
八八―九〇
【右に】詩人等路を問はんとて左にむかへるがゆゑに山右に、日左にあり
九七―九九
【壁】山の嶮なるをいへり
一〇三―一〇五
【ひとり】マンフレディ。皇帝フリートリヒ二世の庶子、一二三一年の頃シケリアに生れ一二五八年より同六六年までナポリ及びシケリアに王たり、ローマの寺院その放逸を惡みこれと相敵視すること久し、法王クレメンス四世、フランス王聖ルイの弟なるシャルル・ダンジューを招きてこれにマンフレディの領地を與ふることを約す、一二六六年一月シヤルル、ナポリ王國を攻む、マンフレディ敗れ、同年二月ベネヴェントの戰ひに死す(地二八・一三―八註參照)
一一二―一一四
【コスタンツァ】コンスタンツェ。皇帝ハインリヒ六世の妃にしてフリートリヒ二世の母なり(天、三・一一八―二〇並びに註參照)。マンフレディは庶子なればこゝに父の名をいはずして祖母の名ないへるなり
一一五―一一七
【名譽の母】王位に登れる者の母
【女】
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