かは》にも底にも黒める石一面に穴ありて大きさ皆同じくかついづれも圓《まろ》かりき 一三―一五
思ふにこれらは授洗者《じゆせんじや》の場所としてわが美しき聖ジョヴァンニの中に造られしもの(未だ幾年《いくとせ》ならぬさき我その一を碎けることあり 一六―一八
こはこの中にて息絶えんとせし者ありし爲なりき、さればこの言《ことば》證《あかし》となりて人の誤りを解け)より狹くも大きくもあらざりしなるべし 一九―二一
いづれの穴の口よりも、ひとりの罪ある者の足およびその脛腓《はぎこむら》まであらはれ、ほかはみな内にあり 二二―二四
二の蹠《あしうら》火に燃えて關節《つがひめ》これがために震ひ動き、そのはげしさは綱《つな》をも組緒《くみを》をも斷切るばかりなりき 二五―二七
油ひきたる物燃ゆれば炎はたゞその表面《おもて》をのみ駛するを常とす、かの踵《くびす》より尖《さき》にいたるまでまた斯くの如くなりき 二八―三〇
我曰ふ、師よ、同囚《なかま》の誰よりも劇しく振り動かして怒りをあらはし猛き炎に舐《ねぶ》らるる者は誰ぞや 三一―三三
彼我に、わが汝をいだいて岸の低きをくだるを願はゞ汝は彼によりて彼と彼の
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