めしものは諂《へつらひ》なりき、わが舌これに飽きしことなければなり 一二四―一二六
こゝに導者我に曰ひけるは、さらに少しく前を望み、身穢れ髮亂れかしこに不淨の爪もて 一二七―一二九
おのが身を掻《か》きたちまちうづくまりたちまち立ついやしき女の顏を見よ 一三〇―一三二
これ遊女《あそびめ》タイデなり、いたく心に適《かな》へりやと問へる馴染《なじみ》の客に答へて、げにあやしくとこそといへるはかれなりき 一三三―一三五
さて我等の目これをもて足れりとすべし 一三六―一三八
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   第十九曲

あゝシモン・マーゴよ、幸なき從者《ずさ》等よ、汝等は貪りて金銀のために、徳の新婦《はなよめ》となるべき 一―三
神の物を穢れしむ、今|喇叭《らつぱ》は汝等のために吹かるべし、汝等第三の嚢《ボルジヤ》にあればなり 四―六
我等はこの時石橋の次の頂《いたゞき》まさしく濠の眞中《まなか》にあたれるところに登れり 七―九
あゝ比類《たぐひ》なき智慧よ、天に地にまた禍ひの世に示す汝の技《わざ》は大いなるかな、汝の權威《ちから》の頒《わか》ち與ふるさまは公平なるかな 一〇―一二
こゝに我見しに側《
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