交叉し之を次の弓門《アルコ》の橋脚《はしぐひ》となせるところにいたれるに 一〇〇―一〇二
次の嚢《ボルジヤ》の民の呻吟《うめ》く聲、あらき氣息《いき》、また掌《たなごゝろ》にて身をうつ音きこえぬ 一〇三―一〇五
たちのぼる惡氣岸に粘《つ》き、黴《かび》となりてこれをおほひ、目を攻めまた鼻を攻む 一〇六―一〇八
底は深く窪みたれば石橋のいと高き處なる弓門《アルコ》の頂に登らではいづこにゆくもわきがたし 一〇九―一一一
我等すなはちこゝにいたりて見下《みおろ》せるに、濠の中には民ありて糞《ふん》に浸《ひた》れり、こは人の厠より流れしものゝごとくなりき 一一二―一一四
われ目をもてかなたをうかゞふ間、そのひとり頭いたく糞によごれて緇素を判《わか》ち難きものを見き 一一五―一一七
彼我を責めて曰ひけるは、汝何ぞ穢れし我|侶《とも》を措きて我をのみかく貪り見るや、我彼に、他に非ずわが記憶に誤りなくば 一一八―一二〇
我は汝を髮乾ける日に見しことあり、汝はルッカのアレッショ・インテルミネイなり、この故にわれ特《こと》に目を汝にとゞむ 一二一―一二三
この時|頂《いたゞき》を打ちて彼、我をかく深く沈
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