は、待て、彼等は人の敬ひをうくべきものなり 一三―一五
さればもし處の性《さが》の火を射るなくば我は急《いそぎ》は彼等よりもかへつて汝にふさはしといふべし 一六―一八
我等止まれるに彼等は再び古歌をうたひ、斯くて我等に近づける時|三者《みたり》あひ寄りて一の輪をつくれり 一九―二一
裸なる身に膏《あぶら》うちぬり將に互に攻め撲たんとしてまづおさゆべき機會《すき》をうかゞふ勇士の如く 二二―二四
彼等もまためぐりつゝ各※[#二の字点、1−2−22]目を我にそゝぎ、頸はたえず足と異なる方にむかひて動けり 二五―二七
そのひとりいふ、この軟かき處の幸なさ、黯《くろず》み爛れし我等の姿、たとひ我等と我等の請ひとに侮りを招く事はありとも 二八―三〇
願はくは我等の名汝の意《こゝろ》を枉げ、生くる足にてかく安らかに地獄を擦《す》りゆく汝の誰なるやを我等に告げしめんことを 三一―三三
見らるゝ如く足跡を我に踏ましむるこのひとりは裸にて毛なしといへども汝の思ふよりは尚|際《きは》貴《たか》き者なりき 三四―三六
こは善きグアルドラーダの孫にて名をグイード・グエルラといひ、その世にあるや智と劒をもて多く
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