ば》にてものいふ能はざればなり 一二四―一二六
かくして我等は乾ける土と濡れたる沼の間をあゆみ、目を泥を飮む者にむかはしめ、汚《きたな》き瀦《みづたまり》の大なる孤をめぐりて 一二七―一二九
つひに一の城樓《やぐら》の下《もと》にいたれり 一三〇―
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   第八曲

續いて語るらく、高き城樓《やぐら》の下《もと》を距るなほいと遠き時、我等は目をその頂に注げり 一―三
これ二《ふたつ》の小さき焔のこゝにおかるゝをみしによりてなり、又|他《ほか》に一《ひとつ》之と相圖を合せしありしも距離《あはひ》大なれば我等よく認むるをえざりき 四―六
こゝにわれ全智の海にむかひ、いひけるは、この火何といひ、かの火何と答ふるや、またこれをつくれるものは誰なりや 七―九
彼我に、既に汝は來らんとすることを汚《けが》れし波の上に辨《わか》ちうべし、若し沼の水氣これを汝に隱さずば 一〇―一二
矢の絃《つる》に彈《はじ》かれ空を貫いて飛ぶことはやきもわがこの時見し一の小舟には如かじ 一三―一五
舟は水を渡りて、我等のかたにすゝめり、これを操《あやつ》れるひとりの舟子《ふなこ》よばゝりて、惡しき魂よ
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