引照せず
六一―六三
我に愛せられてしかも命運に愛せられざるもの
七〇―七二
【ベアトリーチェ】ダンテの『新生』(La Vita Nuova)に出づる詩人の戀人
(1)[#「(1)」は縦中横]『新生』の解説につきては甲論乙駁今に至りて定説なし、されどこれを以て史實に基づき詩想によりて潤飾せる詩人自傳の一部と見做す説多くの點に於て信ずべきに似たり、故にベアトリーチェ及びベアトリーチェとダンテの關係を知らんと欲せば必ずまづ『新生』によらざるをえず
また假りに『新生』を以て一種の譬喩と見做しダンテはこれによりて自己の理想を表現しその理想の形成せるところに「ベアトリーチェ」なる名稱を冠らしめしに過ぎずとし或ひは之を以て詩人の宗教觀詩人時代の寺院及び教理等を寫し出せる一種の象徴に過ぎずと見做すも、ダンテのベアトリーチェを知らんと欲せば同じくまづ『新生』によらざるをえざるなり
(2)[#「(2)」は縦中横]『新生』中ベアトリーチェに關する事項の主なるものをあぐれば、ダンテが始めてベアトリーチェを見たる事及びこの時八歳の少女が九歳の少年の心に殘せし深き印象(二)、ダンテが寺院内に一婦人を帷としてベア
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