トリーチェの祈姿をうかゞひ見しこと(五)、ベアトリーチェを婚姻の(ベアトリーチェ自身の婚姻なるべし)席上に見、友の扶けによりてこの席を去れること(一四)、ベアトリーチェの父の死=一二八九年(二二)、ベアトリーチェの死=一二九〇年(二九、但し學會本によれば――從つて岩波文庫も――二八)、等なり、戀人の家系住居につきては何等云ふ所なし
(3)[#「(3)」は縦中横]ベアトリーチェを史實と配合せる者はボッカッチョなり、その説に曰く、ベアトリーチェはフォルコ・ポルチナーリの女にしてフィレンツェに生る、一二七四年ダンテ始めてこの女を見、後次第に愛慕するにいたれり、一二八六年の頃ベアトリーチェはシモネ・デ・バルヂなるものと婚し一二九〇年六月死すと
(4)[#「(4)」は縦中横]『神曲』中のベアトリーチェは『新生』のベアトリーチェのさらに理想化したる者にて神學の象徴なり、ダンテ、ウェルギリウスに導かれて地獄・淨火の兩界をめぐれども、進んで天上に赴くに及びてはベアトリーチェに導かれざるをえず、これ靈界の機微にいたりては天啓によるにあらざれば覺得し難きを示せるなり
【愛】淨、三〇・七九以下及び天、一・一
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