そろしき塔の下なる戸に釘打つ音きこえぬ、我はわが兒等の顏を見るのみ言《ことば》なし 四六―四八
我は泣かざりき、心石となりたればなり、彼等は泣けり、わがアンセルムッチオ、かく見たまふは父上いかにしたまへるといふ 四九―五一
かくても我に涙なかりき、またわれ答へでこの日この夜をすごし日輪再び世にあらはるゝ時に及べり 五二―五四
微《かすか》なる光憂ひの獄《ひとや》にいりきたりてかの四の顏にわれ自らのすがたをみしとき 五五―五七
我は悲しみのあまり雙手《もろて》を噛めり、わがかくなせるを食《くら》はんためなりとおもひ、彼等俄かに身を起して 五八―六〇
いひけるは、父よ我等をくらひたまはゞ我等の苦痛《いたみ》は却つて輕からむ、この便《びん》なき肉を我等に着せたまへるは汝なれば汝これを剥《は》ぎたまへ 六一―六三
我は彼等の悲しみを増さじとて心をしづめぬ、この日も次の日も我等みな默《もだ》せり、あゝ非情の土よ、汝何ぞ開かざりしや 六四―六六
第四日《よつかめ》になりしときガッドはわが父いかなれば我をたすけたまはざるやといひ、身をのべわがあしもとにたふれて 六七―六九
その處に死にき、かくて五日
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