うから》の死なりきといふ、こゝにおいて憂へ憂ひに加はり、彼は悲しみ狂へる人の如く去れり 一〇九―一一一
されど我はなほ群をみんとてとゞまり、こゝに一のものをみたりき、若しほかに證《あかし》なくさりとて良心 一一二―
(自ら罪なしと思ふ思ひを鎧として人に恐るゝことなからしむる善き友)の我をつよくするあらずば、我は語るをさへおそれしなるべし ―一一七
げに我は首《くび》なき一の體《からだ》の悲しき群にまじりてその行くごとくゆくを見たりき、また我いまもこれをみるに似たり 一一八―一二〇
この者切られし首の髮をとらへてあたかも提燈《ちようちん》の如く之をおのが手に吊《つる》せり、首は我等を見てあゝ/\といふ 一二一―一二三
體《からだ》は己のために己を燈《ともしび》となせるなり、彼等は二にて一、一にて二なりき、かゝる事のいかであるやはかく定むるもの知りたまふ 一二四―一二六
まさしく橋下に來れる時、この者その言《ことば》の我等に近からんため腕を首と共に高く上げたり 一二七―一二九
さてその言にいふ、氣息《いき》をつきつゝ死者を見つゝゆく者よ、いざこの心憂き罰を見よ、かく重きものほかにもあるや否
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