にむけしめき 四―六
たとへばシチーリアの牡牛が(こは鑢《やすり》をもて己を造れる者の歎きをその初聲《はつごゑ》となせる牛なり、またかくなせるや好し) 七―九
苦しむ者の聲によりて鳴き、銅《あかがね》の器《うつは》あたかも苦患《なやみ》に貫かるゝかと疑はれし如く 一〇―一二
はじめは火に路も口もなく、憂ひの言《ことば》かはりて火のことばとなれるも 一三―一五
遂に路をえて登り尖《さき》にいたれる時、こゝにその過ぐるにのぞみて舌よりうけし動搖《ゆるぎ》を傳へ 一六―一八
いひけるは、わが呼ぶ者よ、またいまロムバルディアの語にていざゆけ我また汝を責めずといへる者よ 一九―二一
我おくれて來りぬとも請ふ止まりて我とかたるを厭ふなかれ、わが燃ゆれどもなほ之を厭はざるを見よ 二二―二四
汝若しわが持來れるすべての罪を犯せる處、かのうるはしきラチオの國よりいまこの盲《めしひ》の世に落ちたるならば 二五―二七
ローマニヤ人《びと》のなかに和ありや戰ひありや我に告げよ、我はウルビーノとテーヴェレの源なる高嶺《たかね》との間の山々にすめる者なればなり 二八―三〇
我はなほ心を下にとめ身をまげゐたるに、導
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