ざるに、我は彼等が翼をひらき、我等をとらへんとてほどなき處に來るを見たり 三四―三六
たとへば騷擾《さわぎ》に目覺めし母の、燃ゆる焔をあたりにみ、我兒をいだいてにげわしり 三七―
之を思ふこと己が身よりも深ければ、たゞ一枚の襯衣《したぎ》をさへ着くるに暇あらざるごとく、導者は忽ち我を抱き ―四二
堅き岸の頂より、次の嚢《ボルジヤ》の片側《かたがは》を閉す傾ける岩あるところに仰《あふの》きて身を投げいれぬ 四三―四五
粉碾車《こひきぐるま》をめぐらさんとて樋《ひ》をゆく水の、輻《や》にいと近き時といへどもそのはやきこと 四六―四八
侶《とも》にはあらで子の如く我をその胸に載せ、かの縁《へり》を越えしわが師にはおよばじ
その足|下《した》なる深處《ふかみ》の底にふれしころには彼等はやくも我等の上なる頂《いただき》にありき、されどこゝには恐れあるなし 五二―五四
彼等をえらびて第五の濠の僕《しべ》となせし尊き攝理は、かしこを離るゝの能力《ちから》を彼等より奪ひたればなり 五五―五七
下には我等|彩色《いろど》れる民を見き、疲れなやめる姿にて涙を流し、めぐりゆく足いとおそし 五八―六〇
彼等は
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