こみ、二ながら煮ゆる澱《よどみ》の眞中《まなか》に落ちたり 一三九―一四一
熱はたちまち爭鬪《あらそひ》をとゞめぬ、されど彼等身を上ぐるをえざりき、其翼|脂《やに》にまみれたればなり 一四二―一四四
殘りの部下と共に歎きつゝバルバリッチヤはその中|四人《よたり》の者にみな鐡鉤《かぎ》を持ちて對岸《むかひのきし》に飛ばしめぬ、かくていと速かに 一四五―一四七
かなたにてもこなたにても彼等はおのが立處《たちど》に下り、既に黐《もち》にまみれて上層《うはかは》の中に燒かれし者等にその鐡搭《くまで》をのべき 一四八―一五〇
我等は彼等をこの縺《もつれ》の中に殘して去れり 一五一―一五三
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   第二十三曲

言《ことば》なく伴侶《とも》なくたゞふたり、ひとりはさきにひとりはあとに、さながらミノリ僧の路を歩む如く我等は行けり 一―三
わが思ひは今の爭ひによりて蛙と鼠のことをかたれるイソーポの寓話《フアーヴオラ》にむかひぬ 四―六
心をとめてよくその始終《はじめをはり》を較べなば、モとイッサの相似たるも彼と此との上にはいでじ 七―九
また一の思ひよりほかの思ひのうちいづるごとく、こ
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