きならねば、しづかにこゝにその荷をおろせり 一三〇―一三二
さてこゝよりみゆるは次の大いなる溪なりき 一三三―一三五
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第二十曲
新《あらた》なる刑罰を詩に編《あ》み、これを第一の歌沈める者の歌のうちなる曲《カント》第二十の材となすべき時は至れり 一―三
こゝにわれよく心をとめて望み見しに、くるしみの涙を浴《あ》びし底あらはれ 四―六
まろき大溪《おほたに》に沿ひて來れる民泣いて物言はず、足のはこびはこの世の祈祷《いのり》の行列に似たりき 七―九
わが目なほひくゝ垂れて彼等におよべば、頤《おとがひ》と胸との間みな奇《く》しくゆがみて見ゆ 一〇―一二
すなはち顏は背《うしろ》にむかひ、彼等前を望むあたはで、たゞ後方《うしろ》に行くあるのみ 一三―一五
げに人|中風《ちゆうぶ》のわざによりてかく全くゆがむにいたれることもあるべし、されど我未だかゝることをみず、またありとも思ひがたし 一六―一八
讀者よ(願はくは神汝に讀みて實《み》を摘むことをえしめよ)、請ふ今自ら思へ、目の涙|背筋《せすぢ》をつたひて 一九―二一
臂《ゐさらひ》を洗ふばかりにいたくゆがめる我等の像《
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