@ルサリア』四・六〇一以下)、千匹は多數の意
【師】神々と巨人との戰ひ
【地の子等】地を母とする巨人等
【コチート】(歎きの川の義)氷の池(地、三二・二二以下)
一二四―一二六
【ティチオ、ティフォ】共に神話にいづる巨人の名
【求むるもの】名
一二七―一二九
【恩惠】神の
一三〇―一三二
【エルクレ】ヘラクレス。一〇〇―一〇二行註參照
一三六―一三八
【ガーリセンダ】有名なるボローニア雙塔の一、ガーリセンディ家の建設にかゝるが故にこの名あり、この塔高さ約百六十呎東方に傾斜すること約八呎ダンテの時代にはなほはるかに高かりきといふ
雲西方に飛行く時は恰も塔まづ雲にむかひて傾き倒るゝかと疑はる、アンタイオスの身を屈めし時もこれと同じく恰も我等の上に倒れかゝれる如く見えたり
一四二―一四四
【ジユダ】キリストを賣れるイスカリオテのユダ(地、三四・六二)
【ルチーフェロ】魔王(地三四・二八以下)、ルキフェルはもと明星を指していへる語なるを(イザヤ、一四・一二)後世の詩人等惡魔の名となすにいたれるなり


    第三十二曲

第九の地獄は特殊の信に背ける者の罰せらるゝところにてカイーナ、アンテノーラ、トロメア、ジュデッカの四圓にわかる、詩人等まづカイーナにいたりて血族の信に背ける者をみ、次にアンテノーラにいたりて郷土若しくは黨與を賣れる者を見る
一―三
【坎】第九の地獄、地球の中心なれば地獄全體の岩の重力皆此上に集まるなり
七―九
【全宇宙の底】プトレマイオスの天文學によれば地球は宇宙の中心にあり故に地獄の底は即ち全宇宙の底なり
【阿母阿父とよばゝる舌】我等乳臭の口をもて
或曰、俗語の謂と
一〇―一二
【アムフィオネ】神話にいづる有名なる樂人、テバイの王となり城壁を築かんとて琴を彈ぜしに岩石聲に應じてキタイロンの山よりまろび來り圍みおのづから成れりといふ
【淑女等】「ムーサ」(地、二・七)、詩音樂等の神々
一六―一八
巨人等の足を觸るゝところは第九の地獄の縁なり、しかるにこの地中央にむかひ次第に下方に傾斜するをもて兩詩人がアンタイオスの手によりて石垣を下れる時は既に巨人の足の前方即ち足元上り低き處に立てるなり
一九―二一
【兄弟等】我等二人の兄弟(四一行以下)
或曰、兄弟等は侶の謂にてこの地獄の罪人をすべて指せるなりと
二二―二四
【池】コチート、クレタの巨人の涙流れくだりて地獄の諸水となり後底に集まりて氷の池となる(地、一四・一〇三以下參照)、氷は罪人の心の冷酷なるを表はせるなり
二五―三〇
【オステルリッキ】オーストリア
【ダノイア】ダニューブ又はドナウ、オーストリア最大の川
【タナイ】ドン、ロシアの南にある川
【タムベルニッキ】山の名、所在不明
【ピエートラピアーナ】トスカーナ州の西北セルキオ、マーグラ兩河の間の連山(今のパーニア)
三一―三三
夏の初めの刈入時、農婦等その日なせしことをその夜の夢に見るなり
三四―三六
【愧あらはるゝところ】顏(地、三一・二參照)
或ひは、愧あらはるゝところまで蒼きなやめる魂等はと讀む人あり
【鶴の調】寒さのためにうちあふ齒の音鶴の嘴を鳴らすに似たり
三七―三九
【その證】寒さの強きは齒の音にてしられ苦しみの大なるは目の涙にてしらる
四六―四八
【唇】或ひは、瞼
五二―五四
【鏡】何ぞ鏡にむかふ如くかく我等を見るや
五五―五七
【ビセンツォ】トスカーナ州の川、プラート市の附近を流れフィレンツェの西約十哩にいたりてアルノに注ぐ、その上流の溪間にヴェルニオ、チェルバイアと名づくる二の城ありてアルベルト家に屬せり
【アルベルト】マンゴナの伯爵、二人の子ありてナポレオネ、アレッサンドロといへり、一二八二年の頃この二人の間に相續上の爭ひ起りて互に他を害せんことをはかり遂に共にたふる
五八―六〇
【一の身より出づ】母を同じうす
【カイーナ】第九の地獄第一圓の名、弟を殺せるカイン(創世記四・八)の名を附せるなり
六一―六六
カイーナの罪人をあぐ
【穿たれし者】モドレッド、有名なる『アーサー物語』にいづ
モドレッドはアーサーの子(或曰甥)なり、父の國を奪はんとして殺さる、傳へいふ、アーサーの突きいだせる槍モドレッドの胸を貫きやがて拔くに及びて日光その傷を射透せりと
【フォカッチャー】フッカッチャー・デ・カンチェルリエーリ、十三世紀の後半の人にてピストイアの白黨なり、伯父を殺せりとも父を殺せりともいふ人ありて罪業あきらかならず
【サッソール・マスケローニ】フィレンツェの者、父の兄弟にたゞ一人の男子ありしがサッソール之を欺きて市外に殺害し伯父死して後その資産を横領せりといふ、この罪業當時あまねくトスカーナ州にしれわたれるなるべし
六七―六九
【カミチオン・デ・パッチ】上アルノの溪なるパッチ家のアルベルト・カミチオネ、
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