l―六
【焔】二の烽火は魂の來れるを示す相圖にて他の一の烽火はこれに應へこの相圖の通じたるをあらはす
七―九
【全智の海】ウェルギリウス
一〇―一二
【來らんとすること】相圖の結果として
一六―一八
【舟子】フレギュアス、神話に曰。フレギュアスはアレスの子なり。その女コロニスがアポロンに辱められしを憤りデルポイなるこの神の宮殿に火を放てりと、ダンテがこれに第五の地獄をまもらしめしもその愛みによりてなりされどフレギュアスの舟子なりしことはダンテ以前の記録に見えずといふ
【魂】原語に單數を用ゐしにつきては古註或ひは沼を渡る魂多からねば口ぐせとなりてかくいへるなりといひ或ひはウェルギリウスとダンテとを別々に指していへるなりともいふ
二八―三〇
【常よりも】原文、ほかの者等を載する時よりも(肉體の重みあれば)、思ふにフレギュアスの來れる時ウェルギリウスの載れる時のさまを見、一般をおしはかりてかくいへるなるべし
三一―三三
【死の】水の淀みて動かざる
【一人】フィリッポ・アルゼンティ、フィレンツェの貴族アーヂマリ家の者にてボッカッチョが怒り易きこと他に類を見ずといへる者
【時いたらざるに】いまだ死なざるに(八四行參照)
四〇―四二
ダンテを害せんとて手を伸べしなり
【犬共】怒り易き罪人等
六一―六三
【おのれを】怒りのあまり我とわが身を噛めるなり(地、二七・一二六參照)
六七―六九
【ディーテ】神話、プルート(魔王即ち『神曲』中のルチーフェロ)の異名、ディーテの都はディーテの城壁より地心に至るまでの地獄全體を含む、ダンテが魔王ルキフェル(ルチーフェロ)をディーテと呼べる例は地、一一・六五、一二・三九、三四・二〇に見えたり
【重き】罪も罰も(地、一一・七九以下參照)
七〇―七二
【伽藍】meschite(マホメット教徒の禮拜所)、ディーテの城樓をかくいへり
七六―七八
【固むる】或ひは、繞れる
八二―八七
【天より降れる】ルキフェルと共に神に背きて天を逐はれしもの
【門上】閾の上の意に解する人あり
九一―九三
【狂へる】地、二・三四―五參照
九四―九六
【世に】原語、こゝに
九七―一〇二
【七度あまり】思ふに地、二二・一〇三に見ゆるとおなじくあまたゝびの意に用ゐしなるべし、七なる數を不定數若しくは完全數として用ゐしこと聖書中に例多し(詩篇、一二・六、箴言、二四・一六等)
一〇三―一〇五
【彼】神
一〇九―一一一
【然と否】ウェルギリウスの歸り來るべきや否やを判じえざりしなり
一一八―一二〇
【憂ひの家】ディーテの邑
一二四―一二六
【門】地獄の門、傳説に曰ふ、キリスト、リムボに降れる時(地、四・五二以下)惡鬼等地獄の門を閉ぢてこれにさからひしかば打碎きて内に入りその後この門再び閉さるゝことなしと
一二七―一二九
【死の】永久に滅亡を宣言する
【ひとりのもの】天より遣はされしもの(地、九・八〇註參照)
第九曲
あまつさへフーリエあらはれいでゝ彼等を威嚇す、彼等すなはち天の冥助を待ち遂にこれによりて門内に入りこゝに異端邪説の徒を葬れる多くの熱火の墓を見る
一―三
ウェルギリウスの事成らずして歸り來る姿を見、おそれのあまりダンテの顏蒼白となりたれば導者はその恐れを去らしめんため己が怒りの色を外にあらはさじとつとめしなり
【常ならぬ色】怒りの色(地、八―一二一―三參照)
七―九
【彼なりき】ベアトリーチェを指せるなるべし(地、二・七〇以下參照)
【一者】天より遣はされしもの
一〇―一二
先にはされどもしといひて疑ひをあらはし後には助けを約せる者のことをいひて望みをあらはせり
一六―一八
【望みを絶たれし】地、四・四〇―四二
二二―二四
【エリトン】テッサリアの巫女、大ポムペイウスの子セクスツスの請ひによりファルサーリアの戰ひ(ポムペイウスとカエサルとの)を語らしめんため一兵士の魂を呼起せることルカヌスの『ファルサーリア』(六・五〇七以下)にいづ
二五―二七
【ジュダの獄】ジュデッカ(地、三四・一一七)、第九の地獄にあり、イスカリオテのユダの罰せらるゝところ
二八―三〇
【天】プリーモ・モービレとて他の諸天を囘轉せしむる第九の天なり(天、二八・七〇―七一參照)
三一―三三
【怒りを見ずして】尋常にては
三七―三九
【フーリエ】エリニュエス、神話にいづる三女神、仇を報い罪ある者を罰す
四〇―四二
【チェラスタ】頭に二個の黒き角ある小蛇
異本、小蛇とチェラスタ
四三―四五
【侍婢等】フーリエ傳説に曰、フーリエは魔王ハデスの妻ペルセポネの侍婢なりと、かぎりなき歎きは、かぎりなき歎きの國乃ち地獄なり
【エーリネ】エリニュエス、フーリエのギリシア名
五二―五四
【メヅーサ】神話ゴルゴン(三女怪)の一、その頭を見るもの直ちに化して石となるといふ
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