四五
その頃マルテと洗禮者《バッティスタ》との間にありて武器を執《と》るをえし者は、すべて合せて、今住む者の五|分《ぶ》一なりき 四六―四八
されど今カムピ、チェルタルド、及びフェギーネと混《まじ》れる斯民《このたみ》、その頃はいと賤しき工匠《たくみ》にいたるまで純なりき 四九―五一
あゝこれらの人々皆|隣人《となりびと》にして、ガルルッツォとトレスピアーノとに汝等の境あらん方《かた》、かれらを容《い》れてかのアグリオンの賤男《しづのを》 五二―
またはシーニアの賤男(公職《おおやけのつとめ》を賣らんとはや目を鋭うする)の惡臭《をしう》を忍ぶにまさることいかばかりぞや ―五七
もし世の最も劣《おと》れる人々、チェーザレと繼《まゝ》しからず、あたかも母のわが兒におけるごとくこまやかなりせば 五八―六〇
かの今フィレンツェ人《びと》となりて兩替しかつ商賣《あきなひ》するひとりの人は、その祖父が物乞へる處なるシミフォンテに歸りしなるべく 六一―六三
モンテムルロは今も昔の伯等《きみたち》に屬し、チェルキはアーコネの寺領に殘り、ボンデルモンティは恐らくはヴァルディグレーヴェに殘れるなるべし 六
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