四―六六
人々の入亂るゝことは、食に食を重ぬることの肉體における如くにて、常にこの邑《まち》の禍ひの始めなりき 六七―六九
盲《めしひ》の牡牛は盲の羔《こひつじ》よりも疾《と》く倒る、一《ひとつ》の劒《つるぎ》五《いつ》にまさりて切味《きれあぢ》よきことしば/\是あり 七〇―七二
汝もしルーニとウルビサーリアとがはや滅び、キウーシとシニガーリアとがまたその後《あと》を追ふを見ば 七三―七五
家族《やから》の消失するを聞くとも異《あや》しみ訝《いぶか》ることなからむ、邑《まち》さへ絶ゆるにいたるをおもひて 七六―七八
そも/\汝等に屬する物はみな汝等の如く朽《く》つ、たゞ永く續く物にありては、汝等の生命《いのち》の短きによりて、この事隱るゝのみ 七九―八一
しかして月天の運行が、たえず渚《なぎさ》をば、蔽《おほ》ふてはまた露《あら》はす如く、命運フィオレンツァをあしらふがゆゑに 八二―八四
美名《よきな》を時の中に失ふ貴きフィレンツェ人《びと》についてわが語るところのことも異《あや》しと思はれざるならむ 八五―八七
我はウーギ、カテルリニ、フィリッピ、グレーチ、オルマンニ、及びアルベリキ
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