但しこは彼が、好みて我より隱れしにあらず、已《や》むをえざるにいづ、人間の的《まと》よりもその思ふところ高ければなり 四〇―四二
しかしてその熱愛の弓冷えゆき、そがためその言《ことば》人智の的の方《かた》に下るにおよび 四三―四五
わがさとれる第一の事にいふ。讚《ほ》むべき哉|三一《みつひとつ》にいます者、汝わが子孫をかくねんごろに眷顧《かへりみ》たまふ。 四六―四八
また續いて曰ふ。白きも黒きも變ることなき大いなる書《ふみ》を讀みてより、樂しくも久しく饑《うゑ》を覺えしに 四九―五一
子よ汝はこれをこの光(我この中《うち》にて汝に物言ふ)のなかにて鎭《しづ》めぬ、こはかく高く飛ばしめんため羽を汝に着せし淑女の恩惠《めぐみ》によれり 五二―五四
汝信ずらく、汝の思ひは第一の思ひより我に移り、その状《さま》あたかも一《いち》なる數の知らるゝ時五と六とこれより分れ出るに似たりと 五五―五七
さればこそわが誰なるやまた何故にこの樂しき群《むれ》の中にて特《こと》によろこばしく見ゆるやを汝は我に問はざるなれ 五八―六〇
汝の信ずる所正し、そは大いなるも小《ちひさ》きもすべてこの生を享《う》く
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