愈※[#二の字点、1−2−22]強く働く事と、わが未だ彼處《かしこ》にてかの目に向はざりし事とを思はゞ 一三三―一三五
わが辯解《いひひら》かんため自ら責むるその事をもて我を責めず、かつわが眞《まこと》を告ぐるを見む、そはかの聖なる樂しみをわれ今除きていへるに非ず 一三六―一三八
これまたその登るに從つていよ/\清くなればなり 一三九―一四一
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   第十五曲

慾を惡意のあらはすごとくまつたき愛をつねにあらはす善意によりて 一―三
かのうるはしき琴は默《もだ》し、天の右手《めで》の弛《ゆる》べて締《し》むる聖なる絃《いと》はしづまりき 四―六
そも/\これらの靈體は、我をして彼等に請ふの願ひを起さしめんとて皆|齊《ひと》しく默《もだ》しゝなれば、いかで正しき請《こひ》に耳を傾けざらんや 七―九
苟且《かりそめ》の物を愛するため自ら永遠《とこしへ》にこの愛を失ふ人のはてしなく歎くにいたるも宜《むべ》なる哉《かな》 一〇―一二
靜なる、清き、晴和《のどけ》き空《そら》に、ゆくりなき火しば/\流れて、やすらかなりし目を動かし 一三―一五
位置を變ふる星と見ゆれど、たゞその燃
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