多くの輝二の光線の中にて我に現はれ、あゝかくかれらを飾るエリオスよとわがいへるほど燦《あざや》かにかつ赤かりければなり 九四―九六
たとへば銀河が、大小さま/″\の光を列《つら》ねて宇宙の兩極の間に白み、いと賢き者にさへ疑ひをいだかしむるごとく 九七―九九
かの光線は、星座となりつゝ、火星の深處《ふかみ》に、象限《しやうげん》相結びて圓の中に造るその貴き標識《しるし》をつくれり 一〇〇―一〇二
さて茲《こゝ》に到りてわが記憶才に勝つ、そはかの十字架の上にクリスト煌《かゞや》き給ひしかど我は適《ふさ》はしき譬《たと》へを得るをえざればなり 一〇三―一〇五
されど己が十字架をとりてクリストに從ふ者は、いつかかの光明の中に閃《ひら》めくクリストを見てわがかく省《はぶ》くを責めざるならむ 一〇六―一〇八
桁《けた》より桁にまた頂《いたゞき》と脚《あし》との間に諸※[#二の字点、1−2−22]の光動き、相會ふ時にも過ぐるときにもかれらは強くきらめけり 一〇九―一一一
己を護《まも》らんため智《さとり》と技《わざ》とをもて人々の作る陰を分けつゝをりふし條《すぢ》を引く光の中に、長き短き極微の物體 
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