めぐりつゝ、心をほかにむくるに似たりき 六四―六六
名高き者とはやわが知りしかの殘りの喜びは、日の光に當る良《よ》き紅玉《あかだま》の如くわが目に見えたり 六七―六九
上にては悦びによりて、強き光のえらるゝこと、世にて笑のえらるゝ如し、されど下にては心の悲しきにつれて魂黒く外《そと》にあらはる 七〇―七二
我曰ふ。福なる靈よ、神萬物を見給ひ、汝の目神に入る、是故にいかなる願ひも汝にかくるゝことあらじ 七三―七五
もしそれ然らば、六の翼を緇衣となす信心深き火とともに歌ひてとこしへに天を樂します汝の聲 七六―七八
何ぞわが諸※[#二の字点、1−2−22]の願ひを滿たさゞる、もしわが汝の衷《うち》に入ること汝のわが衷に入るごとくならば、我|豈《あに》汝の問を待たんや。 七九―八一
このとき彼曰ふ。地を卷く海を除《のぞ》きては、水|湛《たゝ》ふる溪《たに》の中にて最《いと》大いなるもの 八二―八四
相容《あひい》れざる二の岸の間にて、日に逆《さから》ひて遠く延びゆき、さきに天涯となれる所を子牛線《しごせん》となす 八五―八七
我はこの溪の邊《ほとり》、エブロとマークラ(短き流れによりてゼーノヴ
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