《はからひ》の淵深く見よ 九四―九六
そも/\人は、その限りあるによりて、贖《あがなひ》をなす能はざりき、そは後神に順《したが》ひ心を卑《ひく》うして下《くだ》るとも、さきに逆きて 九七―
上らんとせし高さに應ずる能《あた》はざればなり、人自ら贖《あがな》ふの力なかりし理《ことわり》げに茲《こゝ》に存す ―一〇二
是故に神は己が道――即ちその一かまたは二――をもて、人をその完き生に復《かへ》したまふのほかなかりき 一〇三―一〇五
されど行ふ者の行は、これがいづる心の善をあらはすに從ひ、いよ/\悦ばるゝがゆゑに 一〇六―一〇八
宇宙に印影《かた》を捺《お》す神の善は、再び汝等を上げんため、己がすべての道によりて行ふを好めり 一〇九―一一一
また最終《いやはて》の夜と最始《いやさき》の晝との間に、これらの道のいづれによりても、かく尊《たふと》くかく偉《おほい》なる業《わざ》は爲されしことなし爲さるゝことあらじ 一一二―一一四
そは神は人をして再び身を上《あぐ》るに適《ふさは》しからしめん爲己を與へ給ひ、たゞ自ら赦すに優《まさ》る恩惠《めぐみ》をば現し給ひたればなり 一一五―一一七
神の子己
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