しとも、後|消化《こな》るゝに及び極めて肝要なる滋養《やしなひ》を殘すによりてなり 一三〇―一三二
汝の叫びの爲す所あたかも最《いと》高き巓をいと強くうつ風の如し、是|豈《あに》譽《ほまれ》のたゞ小《さゝ》やかなる證《あかし》ならんや 一三三―一三五
是故にこれらの天にても、かの山にても、またかの苦患《なやみ》の溪にても、汝に示されしは、名の世に知らるゝ魂のみ 一三六―一三八
そは例を引きてその根知られずあらはれず、證《あかし》して明らかならざれば、人聞くとも心安まらず、信をこれに置かざればなり。 一三九―一四一
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第十八曲
福《さいはひ》なるかの鏡は今たゞ己が思ひを樂しみ、我はわが思ひを味ひつゝ、甘さをもて苦しさを和げゐたりしに 一―三
我を神のみもとに導きゐたる淑女いひけるは。思ひを變へよ、一切の虐《しひたげ》を輕むるものにわが近きを思ふべし。 四―六
我はわが慰藉《なぐさめ》の慕はしき聲を聞きて身を轉《めぐら》せり、されどこの時かの聖なる目の中にいかなる愛をわが見しや、こゝに記《しる》さじ 七―九
これ我自らわが言《ことば》を頼《たの》まざるのみならず、導
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