ニ結び合はす愛の絆。これに從ふは愛に動かされて※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]《めぐ》るなり
【視る】高き近き處より神を視るがゆゑにその高さ近さに應じて神に似るの度他にまさるなり
一〇三―一〇五
【愛】天使
【神の聖前の】直接に神の光を受けて之を諸聖徒に傳ふるがゆゑに(天、九・六一―三參照)かく
【寶座】コロサイ書一・一六等。土星天を司る天使
【第一の三の】されど何故にこれが爲「資産」と呼ばるゝや明かならず、恐らくは一〇五行の 〔Perche`〕 を Perche と讀み「是故に第一の三の組かれらに終る」と譯す方正しからむ(スカルタッツィニ一册本註參照)
一〇六―一〇八
【眞】神。一切の智に休安を與ふ(天、四・一二四以下參照)
一〇九―一一一
まづ神を見、神を知りて而して後神を愛す、故に見ることは愛することに先んず(天、一四・四〇―四二參照)トマス・アクイナスの神學説によれり
一一二―一一四
神を見るの如何は功徳即ち善行の多少に準じ、功徳は神恩とこれを迎ふる善心とより生ず
【次序を】神恩善心相結ばりて功徳に進み、功徳知に進み、知愛に進む
一一五―一一七
【永劫の春】天堂の
【夜の白羊宮も】秋期の凋落を知らざる。秋分にいたれば日は天秤宮に入るがゆゑに夜はその反對面の天宮即ち白羊宮にあり
一一八―一二〇
【歌ひ】sverna(冬を出づ)冬去り春來る時、鳥の喜びて歌ふことよりこの義生る
【喜悦の位】即ち天使の位
一二一―一二三
【神】地、七・八七參照
【統治】コロサイ書一・一六等。木星天を司る天使
【懿徳】エペソ書一・二一(能力)、火星天を司る天使
【威能】エペソ書一・二一等。太陽天を司る天使
一二四―一二六
【主權】コロサイ書一・一六等。金星天を司る天使
【首天便】テサロニケ前書四・一六等。水星天を司る天使
【天使】月天を司る天使
一二七―一二九
【上方を】かの一點即ち神を
【引かれしかして】自ら神の方に引かれつゝ、その下なるものを神の方に引く。たとへばセラフィーニが神に引かれつゝケルビーニを引き、ケルビーニがセラフィーニに引かれつゝツローニを引くごとし
一三三―一三五
【グレゴーリオ】法王グレゴリウス一世(淨、一〇・七三―五參照)
【彼を離れ】天使の分類においてディオニュシオスと異なる所あるをいふ
一三六―一三九
【人たる者】ディオニュシオスの如く
【見し者】使徒パウロ(地、二・二八―三〇並びに註參照)。パウロは天上にて得し知識をばディオニュシオスに傳へたりと信ぜられしによりてかく
【輪】天使の輪


    第二十九曲

ベアトリーチェ天使を論ず
一―六
ベアトリーチェの默しゝ間の極めて短きを譬へにて表はせり。白羊宮は天秤宮と正反對面にあり、晝夜平分の頃日月の一白羊宮に一天秤宮にありて同時に地平線に懸ればそが天心を距ること共に相等しきが故にあたかも天心の秤《はかり》その平準を保つ如し、されど忽ちにして一は地平線上に昇り一は地平線下に降り、二者半球を異にするにいたる
【ラートナのふたりの子】日月(淨、二〇・一三〇―三二註參照)
【權衡を保つ】この項異本多し、委しくはムーアの『神曲用語批判』四九五頁以下參照
七―九
【一點】神(天、二八・一六)
一〇―一二
【處と時】一切の處一切の時皆神に集まる。神の知り給はざる處なく時なし
一三―一五
以下四八行まで、天使創造の理由、時、及び處等を論ず。この一聯にては萬物の創造がたゞ神の愛より出づるこれとをいへり、神は至上の幸にいませば己が幸を増すの要なし、たゞその榮光の顯現なる被造物をして各※[#二の字点、1−2−22]悦びても存在を保つをえしめんため
【その光】神の榮光の反映なる被造物
【我在りといふ】萬物各※[#二の字点、1−2−22]その存在を自覺して喜ぶこと
一六―一八
【他の一切の限】處。萬物創造の後始めて時間空間あり
【新しき愛】被造物。「永遠の愛」即ち神に對して
一九―二一
創造の御業《みわざ》は時間を超越する永遠のうちに行はれしものにて、これに先後なるものなし、創造の後には時間あれどもその前には時間なきがゆゑに創造の常に神休らひゐ給へりとはいひ難し
【これらの水の上に】創世記一の二に「神の靈諸※[#二の字点、1−2−22]の水の面《おもて》に動けり」とあるによる、この一句なほ「創造の御業は」といふ如し
二二―二四
純なる形式(三一―三行註參照)、純なる物質、及び形式と物質との相混ぜるもの同時に神の聖旨《みむね》より出で、聖旨に適ふものとなりたり
二五―二七
光線が透明體を照らすとその中に入終るとは殆んど同時の作用なるごとく
二八―三〇
形式、物質及びこの二者の結合せるもの皆直ちにその存在を全うし、いづれも成り始むると成り終るとの間に時の區別なし
以上の三聯にてベアトリ
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