sのり》に從つてはたらく。アリストテレスの「第一原因」を「一點」にあてはめしもの
四三―四五
【愛】神を慕ひ神に近づかんとてめぐるなり
四六―五一
諸天は宇宙の中心なる地球より遠ざかるに從つて※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]ること愈※[#二の字点、1−2−22]早く、これらの輪はかの一點より遠ざかるに從つてめぐること愈※[#二の字点、1−2−22]おそし、故にダンテは物質界の法則とこれらの輪の法則と相異なるをあやしめり
【わが前に】我は汝の言葉を聞きて滿足せるならむ。前に置[#「前に置」に白丸傍点]くは食を調へて人に進むるに譬へしなり
【諸※[#二の字点、1−2−22]の囘轉】諸天
【聖なる】完全なる。神の力を安くること多きがゆゑに※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]ることまた早し
五二―五四
【神殿】第九天
【愛と光とを】天、二七・一一二參照
【我願】第九天に生じゝ
五五―五七
【模寫と樣式】官能界と天使の輪(四六―五一行參照)
五八―六〇
【試みられざるによりて】何人も解かんとせしことなきによりて
六四―六六
物質界にありては力と大小と比例するをいへり
【諸※[#二の字点、1−2−22]の球體】九個の天
【力】上より受けて下に與ふる力
六七―六九
力大なればその與ふる福(善き影響)もまた大に、體大なればその受けて有する福もまた大なり
七〇―七二
是故にこの最大の球、即ち他の八天を※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]轉せしむる第九天は、その力また最大なるにより、かの最小の輪、即ち神に最《いと》近くして愛も智も最勝るゝセラフィーニの群に相當す
七三―七五
是故に諸天使の輪を量《はか》るに當りその標準を形の大小に(官能界の時の如く)置かずして力の大小に置かんには
七六―七八
諸天にありては體の最大なるもの最も勝れ、天使の諸群にありては神に最も近きもの最もすぐる、而して勝るゝが故に疾く※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]る、是においてか第九天は第一輪(セラフィーニ)に相應し第八天は第二輪(ケルビーニ)に相應す、以下の諸天皆亦かくの如く各※[#二の字点、1−2−22]これを司りこれに※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]轉を與ふる天使に相應す
【大いなるは優れると】大なる天はまされる天使と
七九―八一
【ボーレア】北風
【頬】註釋者曰く。人の顏をもて風位を示す事より來れり、ボーレア口を直くして吹けば北風となり、歪《ゆが》めて右の頬より吹けば北西の風となり左の頬より吹けば北東の風となると
叉曰く。北東の風は北西の風よりも温和にて、よく空の霧を拂ふと(ヴァーノン『天堂篇解説』第二卷三八一―二頁參照)
【半球の空】即ち見渡すかぎりの室
八二―八四
【霧】roffa 空を曇らす雲霧の類
【その隨處】ogni sua parroffa 最後の語については異説ありてその義定かならず、今一古註により Parte(部分)の意とせり
九一―九三
【火花は】火花即ち諸天使はその悦を表はさん爲こゝかしこより舞ひ立ちしかど、なほ各※[#二の字点、1−2−22]己が屬する輪に附隨してめぐり、輪形をも※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]轉をも損ひ亂すことなかりき
【將棊を倍する】數の多きを形容していへり。傳説に曰く、將棊の發明者ペルシア王に謁す、王、將棊を見て喜び何にても望むものを與へんといふ、發明者即ち麥の一粒を將棊盤の目の數に從ひ順次に倍して(第一目に一粒、二目に二粒、次に四粒次に八粒、十六粒、三十二粒と次々に倍して最後の第六十四目にいたる)與へよと請ふ、王その望みの小なるを笑ふ、されど侍臣をしてこれを計らしむるに及び數の莫大(二十桁)にして、約を果す能はざるを知れりと
九四―九六
【處に】即ち天使注が各※[#二の字点、1−2−22]神の定め給ひたる地位を保ちて永遠にその恩寵を受くるをいふ
【オザンナ】天、七・一參照
九七―九九
【疑ひ】天使の階級に關する疑ひ、諸聖父の説一ならざれはなり
(一)セラフィーニ以下の名稱は皆聖書より出づ(各條註參照)、寺院の聖父等この名稱により天使を種々の階級に別てり、即ちすべて三の組とし組毎に三級の天使を配す、但しその排列の法聖父によりて異同あり
(二)こゝに掲ぐる分類はすべて「諸天使階級論」に據る、こはディオニュシオスの作として(天、一〇・一一五―七註參照)中古世に行はれし書なり
(三)『コンヴィヴィオ』(二・六・四三以下)に出づる分類はこの分類と同一ならず、思ふにこれダンテがかの書以後その説を改めたるによるならむ
【セラフィニ】セラフィーニ。イザヤ書六・二等。プリーモ・モービレを司る天使
【ケルビ】ケルビーニ、ケルビム詩篇八〇・一等。恒星天を司る天使
一〇〇―一〇二
【絆】かれらを神
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