〇―一二
【歌】天、二一・五八以下參照
【笑】天、二一・四以下參照
一三―一五
【刑罰】牧者等の腐敗に對する神罰。恐らくはダンテの信仰にもとづく豫言にて、ボニファキウス八世の受難(淨、二〇・八五以下參照)。もしくほアヴィニオンに移れる(淨、三二・一五七以下參照)後の法王廳の屈辱等を特に指せるにはあらじ
一六―一八
【望みつゝ】天罰の他人に下らんことを願ふ者はその下るを遲しとし、己に下らんことを恐るゝ者はこれを速しとす
二二―二四
【球】光の球、即ち光に包まるゝ諸聖徒
二五―二七
【過ぐるを】問ふことの多きに過ぐるを
二八―三〇
【眞珠】輝く聖徒等
【わが願ひ】かの聖徒等の誤なるやを知らんと欲する願ひ
三一―三三
【汝の思ひを】汝の問がわれらの累とならざるを知り安んじて心の願ひを言現はさむ
三四―三六
【たふとき目的】神の御許《みもと》にいたる事
【我】聖ベネデクトゥス。四八〇年ウムブリア州のノルチアに生る、若年にして遁世し、スピアーコ(ローマの東)附近の岩窟に隱れ僅に一僧の布施を受けつゝ修すること年あり、その徳世に知られ弟子多くその許に集るに及びて十二の僧院を建つ、五二八年カーシーノ山(或ひはカッシーノ、ローマとナポリの中間にあり)に赴きアポロン(アポルロ)の宮殿を毀ちてベネデクトゥス派の僧院を起し、五四三年に死す
三七―三九
【カッシーノ】同じ名の山の側面にある小さき町
【迷へる曲める人】異教徒。アポロンを拜せんとて登山せり
四〇―四二
【者】キリスト、即ち福音の眞理を世人に齎し示せるもの
四六―四八
【花と實】思ひと行ひ
【熱】神を愛するの愛
四九―五一
【マッカリオ】聖マカリウス(四〇五年死)。アレクサンドレイアの人にて聖アントニウスの弟子なり、東方僧院の法規を定め、多くの隱者を統管す
カーシーニその他の説に據れり、異説或ひは同じくアントニウスの弟子なるエヂプト人マカリウス(三九一年死)を指すとし、或ひはダンテこれとアレクサンドレイアのマカリクスとを區別せざりしならんともいふ
【ロモアルド】聖ロムアルドゥス(一〇二七年死)。ラヴェンナの貴族オネスティ家の出、トスカーナなるカマルドリ僧院(淨、五・九四―六並びに註參照)の建設者にてカマルドリ派(ベネデクトゥス派の分派)の開祖なり
【わが兄弟達】ベネデクトゥス派の僧侶等
五二―五四
【好き】光によりて愛を現はす
五八―六〇
【顯に】隱す光なくして
六一―六三
【最後の球】エムピレオの天。ダンテがかの天にて聖ベネデクトゥスの姿を見しこと後に出づ(天、三二・三五)
【わが願ひ】ありのまゝの姿を示してダンテの望みを遂げしめんとの願ひをも含む
【他の】他の聖徒達の
六四―六六
【備はり】註釋者曰く。備[#「備」に白丸傍点]はるは神を目的《めあて》とすればなり、熟[#「熟」に白丸傍点]するは諸聖徒各自の善根によりて善果を得る時至ればなり、圓[#「圓」に白丸傍点]なるは願ひ悉く神に容れられ缺くる處なければなりと
【かの球に】エムピレオの天は他の諸天と異りて不動なれば、その各部決して位置を變ふることなし
六七―六九
【場所】かの天は他の諸天と異りて空間に超越す、またかれらの如く軸ありて轉るにあらず
エムピレオの天については『コンヴィヴィオ』二、四・一三以下參照
七〇―七二
【ヤコブ】ヤコブがベテルにて夢に一の梯子を見しこと創世記に出づ、「見よ地に立てる一の梯子あり、その頂天に達し神の使者《つかひ》達|昇降《のぼりくだり》す、また見よ主その上に立ち給ふ」云々(創世、二八・一二―一三)
七三―七五
【これに登らんとて】世の雜念を棄てゝ思ひを天に寄する者なし
【わが制は】ベネデクトゥス派の法規はたゞ徒に紙を費して寫し傳へらるゝのみ、守る者なし
異本、「紙を損はんがために世に[#「世に」に白丸傍点]殘るのみ」
七六―七八
善人の住む習ひなりし僧院は惡人の巣となり、不徳の輩《ともがら》身に法衣を纏ふ
七九―八一
【高利】高利を貪ることの神意に背くは既にいへり(地、一一・九一以下參照)
【果】寺の收入。これを貪りこれを私する僧侶の罪は高利を貪る罪にもまさる
八二―八四
【民】神の愛に訴へて施を求むる者即ち貧民
【親戚または】僧侶の親戚またはその妾婦等
八五―八七
【善く始め】たとへば僧院の如く、その建設の始めに於ては人よく法を守れども久しからずして破るにいたる
八八―九〇
【ピエル】使徒ペテロ(ピエートロ)は貧に安んじて福音宣傳の基を開き
【金銀なきに】ペテロが一跛者にむかひて「金銀は我になし」といへる(使徒、三・六)によれり
【集】convento その派の僧侶のみならず凡てこれに從ひその教の果を摘みて善に向ふ者の一團を指す(パッセリーニ)
九一―九三
汝先づ三者の事業をその始めに溯りて見、後この事
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