一一二―一二四
【助くるをうるもの】キリスト
一一八―一二〇
【一者】リペウス
【泉】神
一二一―一二三
【神彼の目を開き】リペウスの救ひに關することは皆ダンテの創意より出づ、但し野蠻の民と雖もその理性の聲に聽從する時、神恩これを救ひの道に導くことは當時の寺院の教へにあり
一二七―一二九
【みたりの淑女】凱旋車の右の輪の邊《ほとり》に立てるみたりの淑女、即ち教理の三徳なる信、望、愛(淨、二九・一二一以下)
【一千年餘】中古の記録に從へばトロイアの陷落は紀元前一一八四年の事なりといふ
【彼の洗禮】トマス・アクイナスの所謂改悔の洗禮 baptismus paenitentiae. リペウスは洗禮を受けざりしもこれに代るべき信仰と希望と愛とを有せり
一三〇―一三二
【永遠の定】predestinazion 人の救ひについて神の豫め定め給へること
【第一の原因】神
【目】人智
【汝の根】即ち神の定の原因《もと》
一三三―一三五
【凡ての選ばれし者】救はれて天上の福を享くる者の數。神の永遠の定の秘義
一三六―一三八
神の聖旨《みむね》とわれらの思ひと一致するはわれらの福を増しこれを全うする所以なり、故にわれら神の定の奧義を知らざれどもこは知らしめじとの聖旨より出づることなればわれらは知らざるに滿足して知らんと願ふことあらじ
一三九―一四一
【神の象】神のゑがき給へる鷲(天、一八・一〇九參照)
一四五―一四八
【光】トラヤヌスとリペウスの。焔を動かすは鷲の言葉がかれらの意と合するを表はすなり
【瞬く】二の光を二の目にたとへその運動の全く同じきを表はせり
第二十一曲
ダンテ導かれて第七天(土星天)にいたればこゝには一の金色の梯子を降る多くの靈(默想者)あり、その一聖ピエートロ・ダミアーノ詩人に近づきてこれが問に答ふ
四―六
【セーメレ】テバイ王カドモスの女。ジュノネの怨みを受け、これに欺かれてゼウスの榮光を見んと願ひ、見るに及びてその身燃ゆ(『メタモルフォセス』三・二五三以下及び地、三〇・一―三註參照)
七―九
【宮殿の階】諸天。これを傳ひてエムピレオの天(宮殿)にいたる
【汝の見し】天、五・九四以下、八・一三以下等
一〇―一二
【力】視力、即ち智力(比喩的に)
一三―一五
【燃ゆる獅子の】一三〇〇年四月の頃土星は獅子宮にありしなり
【その力とまじり】土星の影響は獅子宮の星の影響と混りてわが下界に及ぶ
註釋者曰く。獅子宮は猛獸に因みて熱さを表はし、土星は寒さをあらはす(淨、一九・一―三註參照)、冷熱相混じ相調節してその影響温和なりと
又曰く。土星は冷かなり、ゆゑに人を冷靜ならしめ、沈鬱ならしめ、これを瞑想に導くにいたると
一六―一八
【かれら】即ち汝の雙の目
【この鏡】土星、日光を受けて輝くがゆゑにかくいふ
一九―二一
ベアトリーチェの命に從ひわれ目を淑女より樹梯《はしだて》に移さんとせしその刹那、わが目がいかなる悦びを淑女のたふとき姿によりてえたりしや、これを知る者は
二二―二四
【彼方と此方とを】命に從ふの悦びと淑女を見るの喜びとを。ベアトリーチェを見るの悦びたとへん方なく大なるに、この大なる悦びをも棄てゝ目を他に移しゝことを思はゞ、命に從ふの悦びのいかに大なりしやを知らむ
二五―二七
【その名立る導者】世界の名立たる君主、即ち黄金時代のサトルノ王(地、一四・九四―六並びに註參照)
【水晶】土星《サトウルノ》。星の名かの王の名より來るがゆゑに「名を負ふ」といへり、金星の名の事これに類す(天、八・一〇―一二)
二八―三〇
【樹梯】諸靈が梯子を昇降するは心默想によりて神のみもとに達するを示す、創世記の古事によれり(天、二二・七〇以下並びに註參照)
三一―三三
【光】默想によりて徳より徳に進める魂
【一切の光】すべての星
四〇―四二
梯子を降る聖徒等はとある段に達すれば、別れ/\になりて或ひは昇り或ひは降り或ひはそこに止まるなり
四三―四五
【我よく】我は汝の光の増すにより、汝が愛をもて我と語りわが疑ひを解かんとするを知る
四六―四八
【身を動かす】言葉身振等にて示す但しこの一聯の主なる動詞原文にてはすべて現在なれば、これを他の文にあらずしてダンテの心の中の言葉の續と見る人あり
四九―五一
【者】神
五五―五七
【己が悦びの】己が悦びの先に包まるゝ尊き靈よ
五八―六〇
【響く】天、三・一二一―二、七・一―五、八・二八―三〇等
六七―六九
【愛の優る】わが侶等に
【優るか】この梯子にあらはるゝ聖徒達はいづれもその愛の我にまさるかさらずも我と等しき者のみにて、劣る者あらざればなり
七〇―七二
聖徒の爲す事はみな神の聖旨《みむね》によりて定まるを述ぶ
【疾き僕】喜びて(聖旨に)從ふ者
【尊き愛】神を愛するの愛
【鬮を頒つ】各自にその
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