アの城フィレンツェ人に奪はれし時(十二世紀の年頃)市に移住せり
【ボンデルモンティ】ブオンデルモンティ。グレーヴェの溪なるモンテブオーニの城主。一一三五年フィレンツェ人この域を奪ふ
七〇―七二
【盲の牡牛】體大にして智伴はざるを市の膨脹して而して治まらざるに譬ふ
【五】數多くして用ゐ難きを人口多くしてかへつて活動を缺くにたとふ。五はさきに五分一といへるに應ず
七三―七五
【ルーニ】昔の町の名【地、二〇・四六―八註參照)
【ウルビサーリア】マルカ・ダンコナの昔の町の名
【キウーシ】トスカーナ州の南端にてヴァルディキアーナ(地、二九・四六―五一註參照)にある町の名
【シニガーリア】マルカ・ダンコナの町の名
八二―八四
【渚をば】潮の滿干《みちひ》によりて
八八―九〇
【ウーギ、カテルリニ】その他こゝに出づるものは皆カッチアグイーダの時代におけるフィレンツェ屈指の舊家なりしかど既にその頃より衰運に向ひゐたるなり
九一―九三
【ラ・サンネルラ及びラルカ】その他こゝに出づるものはみな名立たる舊家にてカッチアグイーダの時代においてはなほ盛なりしかどその後衰ふるにいたりたり
九四―九六
【門】ボルタ・サン・ピエーロ(聖ピエートロの門)。一三〇〇年の頃チェルキ家(六四―六行)この門のあたりに住みゐたり、「チェルキ」は白黨の首領となりて「ドナーティ」と爭ひ、フィレンツェ全市を爭亂の渦中に投じゝものなれば新なる罪を積むといへり
船はフィレンツェなり、チェルキ一家を容れてこれに權勢を得しめしため、フィレンツェの受くる禍ひ甚大なるをいふ
九七―九九
【ラヴィニアーニ】フィレンツェの名門。ボルタ・サン・ピエーロの邊《ほとり》にありしその邸宅グイード家に移り、後チェルキ家の所有となれり
【伯爵グイード】ラヴィニアーニの家長なるベルリンチオーネ・ベルティ(天、一五・一一二―四參照)の女グアルドラーダと老グイードとの結婚(地、一六・三七―九註參照)によりて多くのグイード「ラディニアーニ」より出づ、故に伯爵グイードとは老グイードの子孫なるグイーディの一門を指せるなるべし、地、一六・三八にいづるグイード・グエルラはその一人なり
【名を襲げる者】グアルドラーダの姉妹二人の中一はドナーティ家に嫁し、一はアーディマリ家に嫁したれば、その子孫にしてベルリンチオーネの名を襲げる者多かりき
一〇〇―一〇二
【ラ・プレッサ】フィレンツェの名門。「治むる道を知り」たるは大官となりゐたるなり
【ガリガーイオ】「ガリガーイ」家は同じくフィレンツェの名門にてギベルリニ黨に屬し勢甚だ盛なりしが後零落して見る影なきに至れりといふ
【黄金裝の】劒の柄に黄金を用ゐることは騎士にのみ許されしなり、故にかゝる劒を持てりとは騎士となりゐたる意
一〇三―一〇五
【ヴァイオの柱】フィレンツェの名門ピーリ家の事。vaio は栗鼠族の動物の名、紋章の語にてはその皮模樣を紋所に現はすをいふ、ピーリ家の家紋はヴァイオの一縱線(即ち柱[#「柱」に白丸傍点])を赤地にあらはしゝものなれはかく言へり
【サッケッティ、ジュオキ】等フィレンツェの舊家名族を擧ぐ
【赤らむ家族】「キアラモンテージ」家。その一人鹽を市民に賣るに當りて不正の利益を貪れることあり(淨、一二・一〇三―五並びに註參照)
一〇六―一〇八
【木の根】「ドナーティ」家。この一門分れてドナーティ、カルフッチ、ウッチェルリーニ等の諸家となれり、特にカルフッチを擧げしはその早く頽廢したるによりてなるべし
【シツィイとアルリグツチ】いづれもその頃高官を得て時めきゐたるフィレンツェの家族
【貴き座】curule 美しく裝飾せる倚子にて昔ローマの高官の座に用ゐしもの
一〇九―一一一
【家族】フィレンツェ屈指の名族なりしウベルティ家。この一家の浮沈については、その出にて、「地獄を嘲けるに似た」るファリナータの條參照(地、一〇・三一以下並びに註)
【黄金の丸】フィレンツェの名族ラムベルティ家。その紋章青地に黄金の丸を現はせるによりてかくいへり、かのブオンデルモンテ殺害の事に與りしモスカ(地、二八・一〇六參照)は即ちこの家の出なり
一一二―一一四
【人々】ヴィスドミニ、トシンギの兩家の人々。フィレンツェ僧正領地の監督者たり、僧正の倚子|空《あ》くことあればその後繼者定まるまで寺院の收入を司り、以て私腹を肥しきといふ
【相集ひて】stando a consistoro コンシストロとは法王とカルディナレ等高位の僧との會議もしくは會議の場所をいふ。こゝにては彼等の如く相會して、寺領の收入を處理する意
【父】祖先
一一五―一一七
【族】アーディマリ家。その分家に「アルゼンティ」(地、八・三一―三註參照)あり
一一八―一二〇
【ウベルティーン・ドナート】ベルリンチオーネ・ベルティ
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