ツのマインツの人、八四七年この地の大僧正となり、八五六年に死す、神學特に聖書に關する著作多し
【ジョヴァッキーノ】カラブリア州チェリコの人、フローラの僧院(コセンツァの附近にあり)の院主たり、一二〇二年に死す、豫言の靈云々は當時豫言者として知られたればかく言へるなり
一四二―一四四
【フラア・トムマーゾ】トマス・アクイナスが聖列に入れるはダンテの死後(一三二三年)の事なれば、「サン」といはずして「フラア」といへり
【武士を競ひ讚め】ドミニクス派のトマスが聖フランチェスコを激稱せるを聞き、フランチェスコ派の我またこれに劣らず聖ドミニクスを稀讚せんとの念を起し
一四五
【侶を】わが十一の侶を動かしてかつ舞ひかつ歌はしめたり
第十三曲
トマス・アクイナス再び語りいで、ソロモン王の智とアダム及びキリストの智との關係を論ず
一―三
以下一八行まで、讀者もしかの二十四人の聖徒の靈が二個の圓をつくり光を放ちて舞ひめぐるさまを知らんと欲せば、天の諸處に現はるゝ光強き十五の星と大熊星の七星及び小熊星の二星と、合せて二十四個の星が二の圓形の星座を造り大小二重の圓をゑがきつゝ相共にめぐりゆく状《さま》を想像せよとの意
四―六
【勝つ】濃厚なる大氣を貫いてその光を放つをいふ
七―九
【われらの天】北半球の天。その懷をもて足れりとするは常に北半球の天にありて沒せざるなり
【轅をめぐらし】囘轉し
一〇―一二
小熊星における諸星の按排はその状曲れる角の如し、故に角笛[#「角笛」に白丸傍点]といふ。車軸[#「車軸」に白丸傍点]は諸天運行の軸にてその端[#「端」に白丸傍点]は即ち天極なり
【第一の輪】諸天運行の本なるプリーモ・モービレの天
【端より起る】角の尖端極めて北極に近きが故にかく
【口】他の一端、即ち角笛にたとふれば聲の出づるところ。小熊星七個の中の二個の星を指す
一三―一五
以上の二十四星相集りて二個の圓形の星宿となり
【ミノスの女】アリアドネ。テセウス(地、一二・一六――八註參照)に棄てられし後バッカスの憐みをうく、その死するやバッカスこれが冠を天に送り化して星宿(徴號)となす(オウィディウスの『メタモルフォセス』八・一七四以下參照)。
一六―一八
【一は先に】一導き一從ふ、即ち歩調を合せて同じ方向に
一九―二一
【眞の星宿】二十四の靈
二二―二四
前聯の意を承けて、明かに認むる能はざる理をあぐ
【最疾きもの】プリーモ・モービレ
【キアーナ】アレッツオ地方の河。沼澤多き地を過ぐるが故にダンテの時代にてはその水の流るゝこと甚だ遲かりきといふ(地、二九・四六―五一註參照)
但し、舞の早さをいへるに非ず、諸靈の光や美が人の想像以上なるをあらはせるのみ
二五―二七
【バッコに】異教徒がバッカスやアポロンの如き昔の神々を讚美せるに對して
【ペアーナ】アポロン神を稱《たゝ》へし歌
【一となれる】キリストにおいて
二八―三〇
【思ひを移す】歌や舞より心を轉じてダンテの願ひをかなへんとすること
三一―三三
【光】聖フランチェスコの物語をなせるトマス
【聖徒】numi 元來神々の義、神の如き二十四の靈
三四―三六
わが言葉によりて汝の疑ひの一(迷はずば云々についての)は解け、汝よくその理《ことわり》をさとりたれば、我今こゝに他の疑ひ(これと並ぶべき者云々についての)を解くべし
三七―三九
アダムの胸にも
【女】エヴァ。禁斷の果《み》をくらへるため禍ひを全世界に遺せり(淨、二九・二二以下參照)
【肋骨を】神がアダムより取りたる一本の肋骨をもてエヴァを造り給へるをいふ(創世、二・二一―二)
四〇―四二
キリストの胸にも
【槍に刺され】ヨハネ、一九・三四
【あとさきに】あとは槍に刺されし後、換言すればその死によりて、さき[#「さき」に白丸傍点]は刺されざりし先、換言すればその苦しみ多き生涯によりて
四三―四五
【威能】神の
【光】知識の
四六―四八
【さきに】天、一〇・一四二―四
【福】福なるソロモンの靈
【異しむ】アダム、キリストを措き、ひとりソロモンの智をもて古今に絶すとなすをあやしむなり
四九―五一
【わが言】即ちさきに言へること
五二―五四
一切の被造物は皆三一の神より出づる觀念(神の語《ことば》)の顯現なり
五五―五七
【活光】子
【源の光】父
【愛】聖靈
子なるキリストは父なる神及び聖靈とともに萬物を造り給へり
五八―六〇
【自ら永遠に】子の作用《はたらき》わかれて諸の物に及べど、子そのものは永遠に一なり(天、二・一三六――八參照)
【九の物】原文、「九の實在」。九個の天を司る九級の天使
三一の神のはたらき神の語《ことば》より諸天を司る者に及び、さらに諸天を通じて諸種の物質に及び、次第に下るに從つて次第に劣れる物を生ず
六一―六三
【最も劣れる物
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