アより取らずば――願はくは神汝と倶にあれ、我こゝにて汝と別れむ 一三九―一四一
烟をわけてはや白く映《さ》す光を見よ、天使かしこにあり、我はわが彼に見えざるさきに去らざるをえず。 一四二―一四四
斯くいひて身をめぐらし、わがいふところを聞かんともせざりき 一四五―一四七
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   第十七曲

讀者よ、霧|峻嶺《たかね》にて汝を襲ひ、汝物を見るあたかも※[#「鼬」の「由」に代えて「晏」、第3水準1−94−84]鼠《もぐら》が膜を透してみるごとくなりしことあらば、憶《おも》へ 一―三
濕《しめ》りて濃き水氣の薄らぎはじむるころ、日の光微かにその中に入り來るを 四―六
しかせば汝の想像はわが第一に日(このとき沈みかゝりぬ)を再び見しさまを容易《たやす》く見るにいたるべし 七―九
我は斯くわが歩履《あゆみ》をわが師のたのもしきあゆみにあはせてかゝる雲をいで、はや低き水際《みぎは》に死せる光にむかへり 一〇―一二
あゝ千の喇叭《らっぱ》あたりに響くもしらざるまでに人をしば/\外部《そと》より奪ふ想像の力よ 一三―一五
若し官能汝に物を與へずば誰ぞや汝を動かすは、天にて形造《かたちづ
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