く》らるゝ光或ひは自ら或ひはこれを地に導く意志によりて汝を動かす 一六―一八
歌ふを最もよろこぶ鳥に己が形を變へたる女の殘忍なりし事の蹟《あと》わが想像の中にあらはれぬ 一九―二一
このときわが魂はみな己の中にあつまり外部《そと》より來るところのものを一だに受けざりき 二二―二四
次にひとりの十字架にかゝれる者わが高まれる想像の中に降《ふ》りぬ、侮蔑と兇猛を顏にあらはし、死に臨めどもこれを變へず 二五―二七
そのまはりには大いなるアッスエロとその妻エステル、及び言《ことば》行《おこなひ》倶に全き義人マルドケオゐたり 二八―三〇
あたかも覆《おほ》へる水の乏しくなれる一の泡《あわ》のごとくこの象《かたち》おのづから碎けしとき 三一―三三
わが幻の中にひとりの處女《をとめ》あらはれ、いたく泣きつゝいひけるは。あゝ王妃よ、何とて怒りのために無に歸するを願ひたまひたる 三四―三六
汝ラヴィーナを失はじとて身を殺し、今我を失ひたまへり、母上よ、かの人の死よりさきに汝の死を悼《いた》むものぞ我なる。 三七―三九
新しき光閉ぢたる目を俄かに射れば睡りは破れ、破れてしかしてその全く消えざるさきに搖《ゆ
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