とも 一―三
我等をおほへる烟のごとく厚き粗《あら》き面※[#「巾+白」、第4水準2−8−83]《かほおほひ》を造りてわが目を遮りわが官に觸れしことはあらじ 四―六
われ目をひらくあたはざれば、智《さと》き頼《たのも》しきわが導者は我にちかづきてその肩をかしたり 七―九
我は瞽《めしひ》が路をあやまりまたは己を害《そこな》ふか殺しもすべき物にうちあたるなからんためその相者《てびき》に從ふごとく 一〇―一二
苛《から》き濁れる空氣をわけ、わが導者の、汝我と離れざるやう心せよとのみいへる言《ことば》に耳を傾けて歩めり 一三―一五
こゝに多くの聲きこえぬ、各※[#二の字点、1−2−22]平和と慈悲とを、かの罪を除きたまふ神の羔《こひつじ》に祈るに似たりき 一六―一八
祈りはたえずアーグヌス・デイーにはじまり、詞も節もみな同じ、さればすべての聲全く相和せるごとくなりき 一九―二一
我曰ふ。師よ、かくうたふは靈なりや。彼我に。汝のはかるところ正し、彼等は怒りの結《むすび》を解くなり。 二二―二四
我等の烟を裂き、いまだ時を月に分つ者のごとく我等の事を語る者よ、汝は誰ぞや。 二五―二七
一の聲斯く
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