れしものを汝に告ぐべし。 一二四―一二六
彼。汝たとひ百の假面《めん》にて汝の顏を覆ふとも、汝の思ひのいと微小《さゝやか》なるものをすら、我にかくすことあたはじ 一二七―一二九
それかのものの汝に見えしは、汝が言遁《いひのが》るゝことなくしてかの永遠《とこしへ》の泉より溢《あふ》れいづる平和の水に心を開かんためなりき 一三〇―一三二
わがいかにせると汝に問へるも、こは魂肉體を離るれば視る能はざる目のみをもて見るものの問ふごとくなせるにあらず 一三三―一三五
たゞ汝の足に力をえさせんとて問へるなり、總て怠惰にて覺醒《めざめ》己に歸るといへどもこれを用ゐる事遲き者はかくして勵ますを宜しとす。 一三六―一三八
我等は夕《ゆふべ》の間、まばゆき暮《くれ》の光にむかひて目の及ぶかぎり遠く前途《ゆくて》を見つゝ歩みゐたるに 一三九―一四一
見よ夜の如く黒き一團の煙しづかに/\こなたに動けり、しかして避くべきところなければ 一四二―一四四
我等は目と澄める空氣をこれに奪はれき 一四五―一四七
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   第十六曲

地獄の闇または乏しき空《そら》に雲みち/\て暗き星なき夜《よ》の闇といふ
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