きゐたるかの魂もまたこの詞にうたれ、氣色をかへて悲しみぬ 七〇―七二
一者《ひとり》の言《ことば》と一者の容子《けはひ》は、彼等の名を知らんとの願ひを我に起させき、我はかつ問ひかつ請へり 七三―七五
最初《はじめ》に我に物いへる靈即ち曰ふ。汝は汝のわがために爲すを好まざることを、枉げて我に爲さしめんとす 七六―七八
されど神の聖旨《みむね》によりてかく大いなる恩惠《めぐみ》汝の中に輝きわたれば我も汝に寄に吝《やぶさか》ならじ、知るべし我はグイード・デル・ドゥーカなり 七九―八一
わが血は嫉妬《ねたみ》のために湧きたり、我若し人の福ひを見たらんには、汝は我の憎惡《にくしみ》の色に被《おほ》はるゝをみたりしなるべし 八二―八四
我自ら種を蒔きて今かゝる藁を刈る、あゝ人類よ、侶《とも》を除かざるをえざるところに何ぞ汝等の心を寄するや 八五―八七
此はリニエールとてカールボリ家の誇また譽なり、彼の力を襲《つ》ぐものその後かしこよりいでざりき 八八―九〇
ポーと山と海とレーノの間にて、眞《まこと》と悦びに缺くべからざる徳をかくにいたれるものたゞその血統《ちすぢ》のみならず 九一―九三
有毒《うど
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