船手を統《す》ぶる人々なるべし)。 一五四―一五六
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第十四曲
死いまだ羽を與へざるに我等の山をめぐり、己が意《こゝろ》のまゝに目を開きまた閉づる者は誰ぞや。 一―三
誰なりや我知らず、我たゞその獨りならざるをしる、汝彼に近ければ自ら問ふべし、快く彼を迎へてものいはしめよ。 四―六
たがひに凭《もた》れし二の靈右の方《かた》にてかくわが事をいひ、さて我に物いはむとて顏をあげたり 七―九
その一者《ひとり》曰ふ。あゝ肉體につゝまれて天にむかひてゆく魂よ、請ふ愛のために我等を慰め、我等に告げよ 一〇―一二
汝いづこより來りしや、また誰なりや、我等汝の恩惠《めぐみ》をみていたく驚く、たえて例《ためし》なきことのかく驚かすは宜《うべ》なればなり。 一三―一五
我。トスカーナの中部をわけてさまよふ一の小川あり、ファルテロナよりいで、流るゝこと百|哩《ミーリア》にしてなほ足れりとなさず 一六―一八
その邊《ほとり》より我はこの身をはこべるなり、我の誰なるを汝等に告ぐるは、わが名未だつよく響かざれば、空しく言《ことば》を費すに過ぎず。 一九―二一
はじめ語れるものこの時我に答
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