いつかこゝにて我より奪はるゝことあらむ、されどそは暫時《しばし》のみ、その嫉妬《ねたみ》のために動きて犯せる罪|少《すく》なければなり 一三三―一三五
この下なる苛責の恐れはなほはるかに大いにしてわが魂を安からざらしめ、かしこの重荷いま我を壓《お》す。 一三六―一三八
彼我に。汝かなたに歸るとおもはば、誰か汝を導いてこゝに登り我等の間に入らしめしや。我。我と倶にゐて物言はざる者ぞ是なる 一三九―一四一
我は生く、されば選ばれし靈よ、汝若し我の己が死すべき足をこの後汝のために世に動かすことをねがはば我に請へ。 一四二―一四四
答へて曰ふ。あゝこは耳にいと新しき事にて神の汝をめで給ふ大いなる休徴《しるし》なれば、汝をりふしわがために祈りて我を助けよ 一四五―一四七
我また汝の切《せち》に求むるものを指して請ふ、若しトスカーナの地を踏むことあらば、わが宗族《うから》の中に汝再びわが名を立てよ 一四八―一五〇
汝は彼等をタラモネに望みを寄する虚榮の民の間に見む(この民その望みを失ふことディアーナを求めしときより大いならむ 一五一―一五三
されどかしこにて特《こと》に危險《あやふき》を顧みざるは
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