る 六四―六六
我はオムベルトなり、たゞ我にのみ傲慢《たかぶり》害をなすにあらず、またわが凡ての宗族《うから》をば禍ひの中にひきいれぬ 六七―六九
神の聖心《みこゝろ》の和《やは》らぐ日までわれ此罪のためにこゝにこの重荷を負ひ、生者《しやうじや》の間に爲さざりしことを死者の間になさざるべからず。 七〇―七二
我は聞きつゝ頭《かうべ》を垂れぬ、かれらのひとり(語れる者にあらず)そのわづらはしき重荷の下にて身をゆがめ 七三―七五
我を見て誰なるやを知り、彼等と倶に全く屈《かゞ》みて歩める我に辛うじて目を注ぎつゝ我を呼べり 七六―七八
我彼に曰ふ。あゝ汝はアゴッビオの譽《ほまれ》、巴里《パリージ》にて色彩《しきさい》と稱《とな》へらるゝ技《わざ》の譽なるオデリジならずや。 七九―八一
彼曰ふ。兄弟よ、ボローニア人《びと》フランコの描けるものの華《はなや》かなるには若かじ、彼今すべての譽《ほまれ》をうく、我のうくるは一部のみ 八二―八四
わが生ける間は我しきりに人を凌《しの》がんことをねがひ、心これにのみむかへるが故に、げにかく讓《ゆづ》るあたはざりしなるべし 八五―八七
我等こゝにかゝる傲慢
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