は》しからざるものを教へよ 四〇―四二
そは我にともなふこの者、アダモの肉の衣《ころも》の重荷《おもに》あるによりて、心いそげど登ることおそければなり。 四三―四五
我を導く者斯くいへるとき、彼等の答への誰より出でしやはあきらかならざりしかど 四六―四八
その言にいふ。岸を傳ひて我等とともに右に來《こ》よ、さらば汝等は生くる人の登るをうべき徑《こみち》を見ん 四九―五一
我若しわが傲慢《たかぶり》の項《うなじ》を矯《た》め、たえずわが顏を垂れしむるこの石に妨げれずば 五二―五四
名は聞かざれど今も生くるその者に目をとめ、わが彼を知るや否やをみ、この荷のために我を憐ましむべきを 五五―五七
我はラチオの者にて、一人《ひとり》の大いなるトスカーナ人《びと》より生れぬ、グイリエルモ・アルドブランデスコはわが父なりき、この名汝等の間に 五八―
聞えしことありや我知らず、わが父祖の古き血と讚《ほ》むべき業《わざ》我を僭越ならしめ、我は母の同じきをおもはずして ―六三
何人をもいたく侮りしかばそのために死しぬ、シエーナ人《びと》これを知り、カムパニヤティーコの稚兒《をさなご》もまたこぞりてこれをし
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