しむ、されば彼等の事につきわが目もはじめ爭へるなり 一一五―一一七
されど汝よくかしこをみ、かの石の下になりて來るものをみわくべし、汝は既におのおののいかになやむやを認むるをえむ。 一一八―一二〇
噫※[#二の字点、1−2−22]心|傲《たかぶる》が基督教徒《クリステイアン》よ、幸《さち》なき弱れる人々よ、汝等|精神《たましひ》の視力衰へ、後退《あとじさり》して進むとなす 一二一―一二三
知らずや人は、裸《はだか》のまゝ飛びゆきて審判《さばき》をうくる靈體の蝶を造らんとて生れいでし蟲なることを 一二四―一二六
汝等は羽ある蟲の完《まつた》からず、這ふ蟲の未だ成り終らざるものに似たるに、汝等の精神《たましひ》何すれぞ高く浮び出づるや 一二七―一二九
天井または屋根を支ふるため肱木《ひぢき》に代りてをりふし一の像の膝を胸にあて 一三〇―一三二
眞《まこと》ならざる苦しみをもて眞の苦しみを見る人に起さしむることあり、われ心をとめて彼等をみしにそのさままた斯の如くなりき 一三三―一三五
但し背に負ふ物の多少に從ひ、彼等の身を縮むること一樣ならず、しかして最も忍耐強《しのびづよ》しと見ゆる者すら
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