うやまひ》を起さしむ、子の父に負ふ敬といふともこの上にはいでじ 三一―三三
その長き鬚には白き毛まじり、二《ふたつ》のふさをなして胸に垂れし髮に似たり 三四―三六
聖なる四《よつ》の星の光その顏を飾れるため、我彼をみしに日輪前にあるごとくなりき 三七―三九
彼いかめしき鬚をうごかし、いひけるは。失明《めしひ》の川を溯りて永遠《とこしへ》の獄《ひとや》より脱《のが》れし汝等は誰ぞや 四〇―四二
誰か汝等を導ける、地獄の溪を常闇《とこやみ》となす闌《ふ》けし夜《よる》よりいづるにあたりて誰か汝等の燈火《ともしび》となれる 四三―四五
汝等斯くして淵の律法《おきて》を破れるか、將《はた》天上の定《さだめ》新たに變りて汝等罰をうくといへどもなほわが岩に來るをうるか。 四六―四八
わが導者このとき我をとらへ、言《ことば》と手と表示《しるし》をもてわが脛《はぎ》わが目をうや/\しからしめ 四九―五一
かくて答へて彼に曰ふ。我自ら來れるにあらず、ひとりの淑女天より降れり、我その請《こひ》により伴《とも》となりて彼をたすけぬ 五二―五四
されど汝は我等のまことの状態《ありさま》のさらに汝に明《あ》かさ
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