む、こは人の靈|淨《きよ》められて天に登るをうるところなり 四―六
あゝ聖なるムーゼよ、我は汝等のものなれば死せる詩をまた起きいでしめよ、願はくはこゝにカルリオペ 七―
少しく昇りてわが歌に伴ひ、かつて幸《さち》なきピーケを撃ちて赦《ゆるし》をうるの望みを絶つにいたらしめたる調《しらべ》をこれに傳へんことを ―一二
東の碧玉《あをだま》の妙《たへ》なる色は、第一の圓にいたるまで晴れたる空ののどけき姿にあつまりて 一三―一五
我かの死せる空氣――わが目と胸を悲しましめし――の中よりいでしとき、再びわが目をよろこばせ 一六―一八
戀にいざなふ美しき星は、あまねく東をほゝゑましめておのが伴《とも》なる雙魚を覆へり 一九―二一
われ右にむかひて心を南極にとめ、第一の民のほかにはみしものもなき四の星をみぬ 二二―二四
天はその小《ちひ》さき焔をよろこぶに似たりき、あゝ寡《やもめ》となれる北の地よ、汝かれらを見るをえざれば 二五―二七
われ目をかれらより離して少しく北極――北斗既にかしこにみえざりき――にむかひ 二八―三〇
こゝにわが身に近くたゞひとりの翁《おきな》ゐたるをみたり、その姿は厚き敬《
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